SDGsと防災教育⑤ ~ 自然と社会の不平等から考える

SDGsと防災教育⑤ ~ 自然と社会の不平等から考える

気候変動とハザードの巨大化・多発化

13番目の目標「気候変動」によると、大雨や台風の様な気象関係のハザードは極端化してきていると言われています。台風が巨大化したり、時間雨量が増加したり、温暖化が進んだりといった気候変動は地球温暖化が原因だと言われています。化石燃料の燃焼だけではなく、人間の活動の増加による放出熱量の増加、森林の減少といった原因も関わっているはずです。さらにこんな話を読んだことがあります。地球はいま氷河期にあるのだそうです。氷河期は氷期、間氷期の繰り返しから成り立っています。現在は間氷期にあって、まだまだ暖かくなる過程にあるという説です。結局、温暖化の回避は、これさえやれば大丈夫という決定打はなさそうです。

自然の不平等と社会の不平等

社会的な不平等がある地域では弱いハザードでも災害が発生する恐れがあります。防災力を持つ社会では、少々強いハザードが襲ってきても持ち堪えることができます。ハザードの強弱(自然の不平等)と社会の防災力の強弱(社会の不平等)によって災害が発生すると考えられますが、人類がハザードをコントロールすることは不可能です。災害に立ち向かうには、社会の防災力を向上させる(脆弱性を減少させる)しかないのです。そしてそれは、社会の不平等の是正と重なってきます。
社会の不平等に目を向け、どんな不平等を解消し、どんなまちを作れば災害に向き合えるかを考えていきましょう。これは、11番目の目標「住み続けられるまちづくり」そのものです。レジリエントで持続可能な人間居住の実現はそのまま、災害による被害の減少も意味しています。私は、「レジリエント」を「しなやかな回復力」と捉えています。災害を力で完璧に抑え込むのではなく(不可能ですが)、被害を受けながらもダメージを少なくする社会、被害を受けても素早く回復していく社会をイメージしています。

関連記事: