子どもがかわいそう?共働き家庭のメリット・デメリット

第142回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
共働きの家庭は増えているといわれていますが、子どもに悪い影響を与えるのではないかと不安視する声があるのも事実。実際に共働き家庭は子どもにどのような影響を与えているのか、メリット・デメリットをまとめます。

子どもがかわいそう?共働き家庭のメリット・デメリット

●親が思う帰宅時間の影響

マイナビが2014年4月に、子持ちの共働き夫婦(227人)を対象に実施した「仕事からの帰宅時間」に関するアンケート結果によると、親の帰宅時間が子どもに影響を与えると考える親は、全体の7割ほど。約半数の家庭が「16~19時に帰宅」すると答えており、「早く帰ることで、家族の仲が良くなっている」「子どもとスキンシップが取れている」というプラスの意見が挙げられています。反対に悪い影響として、遅く帰ることで、「しっかりした夕食が作ってあげられないこと」「あまり遊んであげられない」「自分にあまり懐いてくれない」という意見が見受けられました。

●かわいそうと思うことが問題?

内閣府が発表している「男女参画社会の形成状況」では、平成26年度時点で、共働き家庭が1077万世帯、専業主婦家庭が720万世帯と、夫婦共働き世帯が大きく上回っています。それでも昔からの価値観で、「母親が働いている=子どもがかわいそう」と考える人がまだ多いのも事実。「子どもが育つ魔法の言葉」の著者であるアメリカ人作家のドロシー・L・ノルテの「子どもは憐れみを受けて育つと、自分をかわいそうだと思うようになる」という言葉があります。ママが「自分が働いているせいで、子どもにかわいそうな思いをさせている」と考えることこそが、子どもの「自己否定」を促し、人格形成に悪影響を与える原因になりかねません。

●子どもに与える共働きのメリット・デメリット

共働きのイメージとして、家計は助かるが、子どもにはデメリットだらけというイメージがあります。しかし実際は、「寂しい思いをさせる」「危険な目に合わないか心配」といった、親が感じるデメリットがほとんどで、子どもにとってはそうでないケースも少なくないようです。一人で過ごす時間が長くなることで自立心が育ち、時間管理ができるようになる、親との約束を守るようになるといったメリットも。
学業についても、「働き出してから、自分で進んでやるようになった」という声もあり、必ずしも、共働きであることが影響するわけではないようです。両親が働いているか、そうでないかに関わらず、子ども自身の自立心の向上が重要なのだとか。

●寂しいサインは見逃すな!

とはいえ、まだまだ子ども。寂しくなるときがあって当然ですよね。「笑顔が薄れる」「抱っこをねだる」「かんしゃくを起こす」「絵に描いた人物の顔が笑っていない」など、寂しいサインを出してくることもあるのだとか。そんな時には「目を見て話す」「子どもの前で愚痴を言わない」「仕事中でもこまめに連絡する」「手紙交換」といったケアを忘れずに! コミュニケーションが不足しないような工夫をしてみてください。甘えてきた時に、疲れているからと突き放すのはNG。

共働きは子どもにとって悪いことばかりではないようです。どちらかといえば、親が一方的に感じている負い目の方が問題なのかもしれません。共働きだからと、あまりマイナスに捉えず、子育てに自信を持って、愛情を存分に注ぐことが大切です。
(文・姉崎マリオ/考務店)

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