別居婚とは?メリットや手続き方法、離婚時の注意点を弁護士がわかりやすく解説

別居婚とは?メリットや手続き方法、離婚時の注意点を弁護士がわかりやすく解説

別居婚を始める場合の注意点

別居婚を選択しようとする場合には、次の点に注意をしましょう。
なお、ここでは単身赴任などやむを得ない理由による一時的な別居婚ではなく、お互いの意思であえて別居婚を選択する場合を前提として解説します。

別居婚に納得できない場合は婚姻自体をよく考える

デメリットなどを踏まえ、お互いが納得したうえで別居婚を選択するのであればよいのですが、仮に一方の意見に押し切られる形で別居婚を選択するのであれば、立ち止まってよく考えるべきでしょう。

別居婚は、一般的な婚姻の形態とはいえません。
相手がなぜ別居婚にこだわるのか、別居婚でなければならない理由は何であるのかなど、長期的な視点でよく検討してください。

それでも婚姻をするのであれば、少なくとも別居婚をいつまで続けるのかは明確に定めておくことをおすすめします。
それさえも飲んでもらえない場合には、婚姻自体を見送ることも検討すべきでしょう。

理由がなくても定期的に会うなどルールを決める

別居婚は、非常に自由な婚姻の形態です。
そうであるが故に、何らルールを決めなければ、一方が相手に新鮮さを感じなくなったり他に親しい相手ができた途端に会えなくなったりするなど、自然消滅のような状態となってしまうリスクもあるでしょう。

そのため、たとえば理由がなくても定期的に会うことや定期的に電話をすることなど、最低限のルールは定めておくべきであるといえます。

生活費の負担について定期的に話し合う

特に自由さや新鮮さなどを求めて別居婚を選択する場合、その時点ではお互いが経済的に自立している場合が多いでしょう。

しかし、人生にはさまざまなリスクがあり、状況はいつ変化するかわかりません。
たとえば、一方の会社が倒産してしまったり事故に遭って動けなくなったりして、収入が途絶えてしまう可能性は否定できないでしょう。

そうでなくとも、たとえば妊娠や出産をした場合には、一時的に収入が減る可能性もあります。
また、子供が生まれれば、子の養育にかかる費用負担も必要です。

別居婚を選択する場合には、このような将来の状況変化を踏まえ、状況が変わった場合の生活費負担についてどう考えているのか話し合い、あらかじめ取り決めをしておくことをおすすめします。

別居婚をいつまで続けるかよく話し合う

別居婚を始める際には、いつまで別居婚を続けるのかについて、よく話し合っておくことをおすすめします。
たとえば、「前婚の子が中学校を卒業したら改めて同居を検討する」などです。

また、仮に夫婦間に子供ができた場合には同居を始めるかどうかなども、明確に取り決めておくべきでしょう。

別居婚の夫婦が離婚する場合における同居婚との主な違い

最後に、別居婚の夫婦が離婚をする場合における、同居婚の場合との違いについて解説をします。

慰謝料が減額される可能性がある

別居婚であっても、相手が不貞行為などをしたことによる離婚の慰謝料がただちに減額されるわけではありません。

しかし、たとえば夫婦関係が戸籍上の形ばかりとなりほとんど会っていないなど、仮に元々夫婦関係が破綻していると考えられる場合には、慰謝料が大きく減額される可能性があります。

財産分与がない可能性がある

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が共同で築いた財産を、離婚に伴って分ける行為です。

同居をして共同生活を送っている夫婦であれば、たとえ収入や所有財産の額に偏りがあったとしても内助の功などがあると考えられるため、原則として2分の1ずつで財産を分与することとなります。

しかし、お互いが経済的に自立した状態での別居婚の場合には、財産分与がない可能性があるでしょう。
この場合には、そもそも夫婦の共有財産がないと判断されやすいためです。

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