4歳の身長の基本情報
「子どもの背が低いかも?」と思ったときは、平均値を知ることから始めましょう。4歳の身長の平均値や、正常な身長のチェック方法を紹介します。
4歳の平均身長は103cm程度
厚生労働省による「令和元年国民健康・栄養調査報告」を見ると、4歳の平均身長は男子が103.7cm、女子が102.9cmとなっています。
平均値だけではなく、標準偏差もチェックしてみましょう。標準偏差を見れば、子どもの身長がデータ全体のなかでどの位置に該当するのかを知る手助けになります。
偏差は標準的な平均値との差を表す数値です。例えば、男子の標準偏差は4.8なので98.9~108.5cmの子どもが多いということになります。
女子は標準偏差が5.3となっています。97.6~108.2cmが平均となり、もし身長が98cmなら平均のなかでも小柄な方だと判断できるのです。
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平均から大きく離れている場合は注意
子どもの成長には個人差があり、平均よりも小さいからといって問題があるとはいえません。しかし、平均からあまりにも大きく離れている場合は注意が必要です。
「身長-標準身長÷標準偏差」を、SDスコアといい、SDスコアが「-2SD」より低い場合、低身長が疑われます。標準身長と標準偏差は月齢ごとに設けられており、平均から標準偏差の2倍以上身長が低い状態だと低身長に当てはまるのです。
低身長だから病気とは限りませんが、まれに成長障害など専門的な診断が必要な場合があります。また、平均より著しく身長が低いだけでなく、伸びが悪い場合も注意が必要です。
成長曲線を付けると、時間の経過とともに子どもの身長や体重がどれくらい伸びているかを客観的に判断できます。
参考:横断的標準身長・体重曲線(0 - 6 歳)男子(SD表示)
参考:横断的標準身長・体重曲線(0 - 6 歳)女子(SD表示)
身長が伸びない原因
子どもの身長が平均より著しく低かったり伸び率が悪かったりする場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。身長が伸びない原因を紹介します。
遺伝的な要素
子どもの身長が伸びない原因には、遺伝的な要素が関係していることがあります。
例えば、身長が低い両親から生まれた子どもは、背が低くなる傾向があるでしょう。もし、両親のどちらかが低身長の場合、遺伝による可能性は高くなります。
とはいえ、身長が低めでも平均を大きく下回っていなければ問題ありません。成長のスピードには個人差があり、ゆっくりと伸びるタイプの子どももいます。遺伝ですべてが決まるわけではなく、「生活習慣」がより重要となる点も押さえておきましょう。
病気が潜んでいる場合も
身長が著しく伸びていない場合や、伸びがストップしてしまったという場合、ホルモン分泌の異常や骨の異常など病気が潜んでいるケースも考えられます。
低身長が疑われるときや、成長曲線が正常範囲から外れているときは医師に相談することが必要です。
どんな病気であったとしても、早期に発見できた方が対処しやすくなります。かかりつけ医や近所にある小児科医などを、はやめに受診しましょう。
身長が伸び悩んでいるときの対処法
子どもの身長が伸び悩んでいると感じる場合、家庭でどのようなケアができるのでしょうか。簡単にできる対処法を紹介します。
栄養をしっかりとる
子どもの健やかな成長には栄養が欠かせません。子どもの好き嫌いが多いと偏った食事になりがちですが、成長に必要な栄養素をしっかりと補えるように、「バランスのよい食事」を心掛けましょう。
幼児期の子どもは大人とは違い一度に食べられる量がそれほど多くないので、1日3食を目安に食べさせます。骨の成長をサポートするカルシウムや、筋肉を育てるたんぱく質などをバランスよく摂取できるメニューにしましょう。
子どもにとって食事の時間が楽しくなるように家族が一緒に食事をしたり、盛り付けにこだわったりする方法もおすすめです。
ストレスを与え過ぎない
子どもに過度なストレスを与えるのも、身長が伸び悩む原因のひとつです。精神的な問題を抱えていると、成長に悪影響を与えることがあります。
子どもの目の前で親同士がケンカをする・子どものためによかれと思ってやらせていた習い事がストレスの原因となることなどは珍しい話ではありません。積極的に子どもが「楽しい」と感じられる時間を増やしてあげましょう。
歩くときに手をつないだり、膝の上で絵本を読んであげたりといった日常でできるスキンシップも、子どものストレスを和らげるために効果的です。
寝る時間も大切
3~6歳ごろまでの幼児期は、10~11時間程度の睡眠時間が好ましいとされます。筋肉や骨の発達を促す「成長ホルモン」は眠りが深いときに分泌されるので、十分な睡眠時間を確保することが重要です。
理想的な睡眠時間を確保するには、はやく寝る必要があります。子どもがなかなか寝てくれない場合、早寝の習慣をつけましょう。
習慣になれば、就寝時間が近付くと自然に眠くなります。子どもが寝てから家事や仕事をしようと考える人は多いですが、早寝の習慣を付けるには子どもと一緒にはやい時間に就寝し朝方に活動する方法がおすすめです。
まとめ
子どもの身長が低いと心配してしまいますが、まずは平均からどれくらい低いのかチェックしてみましょう。成長曲線を利用すると、時間の経過とともにどれくらい伸びているのか正確な記録を付けられます。
平均から大きく下回っている場合、何らかの病気が潜んでいる可能性もあるので、はやめにかかりつけ医や小児科を受診しましょう。
子どもの身長が順調に伸びていくには、バランスのよい食事や睡眠時間が欠かせません。身長を伸ばすために、家庭で取り組めることはたくさんあるので、できることから試してみましょう。