外遊びを始める時期・メリットを確認
いつごろから、子どもに外遊びをさせるとよいのでしょうか?まずは、外遊びを開始する時期の目安・期待できるメリットを解説します。
歩き始める「1歳前後から」がひとつの目安
結論からいうと、外遊びを始める時期にはっきりとした決まりはありません。家庭の状況や赤ちゃんの人数などによって違いはあるものの、公園・広場などで遊び始める時期の目安は赤ちゃんが歩き始める1歳前後です。
もちろん、赤ちゃんが歩き始める前に気分転換として親子で散歩をしたり、買い物に行ったりする人は少なくありません。
とくに生後27日までの新生児期は環境の変化に弱く、室内・外の気温差で赤ちゃんが体調を崩してしまう可能性があるのも事実です。生後1カ月の健診を受け、健康状態を確認してから外出するのをおすすめします。
参考:毎日の外出は生後何ヶ月頃からしましたか?またおんぶはいつ頃からですか? | 教えて!goo
参考:生後9ヶ月の赤ちゃんとの外出について 三回食になってから忙しくて外に出掛けられません。 離乳食の準 | 教えて!goo
体力・思考力を育む
子どもにとって、外遊びは体力・思考力を育てるきっかけになると考えられています。室内に比べて制限が少ない公園などでは、音を気にしないで飛び跳ねたり、走ったりすることが可能です。
また、適度に体を動かすのは、子どもの基礎的な体力・持久力の向上にもつながるといわれています。
とはいえ「毎日、公園に連れて行かなければならない」と思い詰める必要はありません。子どもにとっては、散歩をしている際に見かける花・虫なども、好奇心をくすぐる存在です。
もちろん、遊具のない公園・広場も例外ではありません。落ち葉・木の実を集めたり、飛んでいる鳥を追いかけたりと、身の回りのものから遊びを考えるうちに、体力や思考力が育つ可能性は十分に期待できます。
参考:公園遊びは、週何回、何時ごろ、何分位滞在しますか? 2歳の娘と、毎日1時頃に1時間程滞在してます。|教えて!goo
家族以外との関わりで社会性が身に付く
外に出ると、家族以外の住人・公園で遊ぶ親子など、様々な人と出会う機会が増えます。例えば散歩をしていると、近所に住んでいる人が「かわいいね」と、声をかけてくれることもあるでしょう。
また、「公園デビュー」という言葉があるように、外遊びを通して同じ月齢の親子と仲良くなるケースは少なくありません。
複数の友だちと遊ぶうちに、多くの子どもは人を嫌な気持ちにさせないようにすることを学んだり、けがを防ぐためのルールを身につけたりしていきます。
「人を不快にさせる言葉・行動」「順番を守る」などのマナー・ルールは、保育園・幼稚園・小学校などの集団生活にも役立ちます。
まずは「道具を使わない外遊び」から挑戦
外遊びを始めたばかりのころは、道具を使わずに体を動かす楽しさを味わうのがおすすめです。親子で体を動かして楽しめる外遊びを2つ紹介します。
親子で楽しく遊べる「影ふみ」
天気のよい日には、親子で影ふみをして遊んでみてはいかがでしょうか?相手の影を踏むというシンプルなルールなので、歩き始めたばかりの赤ちゃんとも遊べます。
影ふみの特長は、子どもの年齢に合わせて遊び方をアレンジできるところです。例えば0~1歳の赤ちゃんなら、親が影を踏んで見せたり、反対に影を踏ませたりする方法もあります。
鬼ごっこに興味を持ち出す3歳ごろからは、「影を踏んだら勝ち」という従来のルールで、追いかけっこをして遊ぶのもおすすめです。
バランス感覚を養う「けんけんパ」
片足で飛び跳ねる「けんけん」と、両足で着地する「パ」を組み合わせた遊びは、子どものバランス感覚を養うのに役立ちます。円がひとつの場所では片足でけんけんをし、2つ描いているところでは両足を開いて着地するのが基本的なルールです。
地面に円を描いて遊べるため、遊具がない公園や、おもちゃを忘れた際でも気軽に楽しめます。
けんけんをするのが難しい低年齢のうちには、親が抱っこしながらやったり、両足でジャンプしたりと、子どもの発達に合わせてアレンジできるのも特長です。
外に慣れてきたら「道具を使った遊び」も
店・インターネットなどでは、外遊びを盛り上げる道具がたくさん販売されています。外遊びに適した道具は、子どもの想像力・運動能力などを高めるのにも効果的です。
想像力が広がる「砂遊び・水遊び」
バケツ・じょうろなどの道具を使った砂遊び・水遊びは、子どもが夢中になって取り組む傾向にあります。低年齢の子どもなら、道具を使わずに砂を触るだけでもザラザラ・サラサラなどの感覚を覚えるのに役立ちます。
ただ、赤ちゃんが砂を口に入れる恐れがあるうちは、砂遊びを控えた方がよいでしょう。身の回りの物を口に入れる行動が減ってくる1歳半ごろから、様子を見ながら始めるのがおすすめです。
一方、水遊びで注意したいのは、遊んでいる間の事故です。消費者庁では、たとえ少量の水であっても子どもが溺れる危険性があると注意喚起しています。
とくに子どもは、声・音を出さないで静かに溺れるというケースも報告されています。たとえ水の量が少ない場合でも、水遊びをする際には親がそばで見守るのが鉄則です。
参考:御家庭内での子どもの溺水事故に御注意ください!-入浴後はお風呂の水を抜く、ベビーゲートを設置するなどの対策を- | 消費者庁
口の運動能力を高める「しゃぼん玉」
風に乗ってゆらゆらと飛ぶしゃぼん玉は、小さい子どもの好奇心をくすぐります。薄いピンク・黄・水色など、見る方向によってしゃぼん玉の色が違うことから光の反射に興味を持ち始める子どもは少なくありません。
しゃぼん玉のセットは、スーパー・コンビニエンスストアなどでも購入できます。そのほか、自宅の洗剤・ストローなどを使って、しゃぼん玉の道具を手作りするのもおすすめです。
また、モールやハンガーなどを使い、大きさの違うしゃぼん玉を作るのも盛り上がります。赤ちゃんなら、親が吹いたしゃぼん玉を追いかけたり、手でつかまえたりして楽しむ方法もあります。
「ボール遊び」で全身を動かして
投げる・蹴る・転がすなど、遊び方が幅広いボールは、赤ちゃんから子ども、大人まで、使う人の年齢を選びません。歩き始めたばかりの赤ちゃんの場合には、親が転がしたボールを追いかけて遊ぶのもおすすめです。
また、子どもの成長に合わせて、ボール投げをしたり、サッカーをしたりと、遊び方を変えると長い時間でも退屈しないで遊んでくれるでしょう。
親子でキャッチボール・パスをするのはもちろん、友だち同士・家族などでドッジボール・キックベースなどをする方法もあります。ボールを使った遊びは楽しいだけではなく、子どもの体力・思考力を高めるのにも効果的です。
人数に関係なく遊べる「縄跳び」
ボールと同じく縄跳びも、遊び方をアレンジして幅広い年代で楽しめる道具のひとつです。歩くのが精一杯な1歳ごろには、地面に置いた縄跳びを踏まずに通る練習をする方法もあります。
踏まずに歩けるようになったら、へびのようにニョロニョロと縄跳びを動かしてみるのも盛り上がります。3~4歳ごろからは、回転が遅くて痛さを感じにくい縄のロープを使い、前跳びの練習をするのがおすすめです。
そのほか、縄跳びをつなげて複数で跳んだり、大きく回して八の字跳びをしたりと、少人数から大人数までが楽しく遊べます。
4歳以上におすすめの外遊び
友だちとも関わり始める4歳以上には、走る・蹴る・押すなど、全身を動かせる外遊びがおすすめです。少人数から大人数まで、複数で盛り上がれる外遊びを3つ紹介します。
集中力・基礎体力を高める「だるまさんが転んだ」
大きく1歩を踏み出して始まる「だるまさんが転んだ」は、鬼に気付かれないようにゴールを目指す遊びです。
鬼の声に合わせて動くのはもちろん、鬼が振り向いた瞬間にはピタッと止まります。万が一、鬼に「動いた」と判断された場合にはアウトになり、基本的には鬼を交代しなければなりません。
鬼が「だるまさんが転んだ」と言っている間に走ってゴールに近付く必要があるため、遊びながら瞬発力・体力を高める効果が期待できます。
力の加減を学べる「手押し相撲」
向かい合って立ち、手のひらで押し合う「手押し相撲」は、小学校の体育にも取り入れられている遊びです。足の位置がずれたら負けというシンプルな遊びは、相手が押す力に負けないで体を保つバランス感覚を養います。
小さい子どもなら足の周りに余裕をもって円を描き、円から出た場合は負けというルールにアレンジするのがおすすめです。
人数が多い場合には勝ち抜いて優勝を決めるトーナメント戦にすると、子どもはもちろん、大人も童心にかえって楽しめます。
わらべ歌が覚えられる「はないちもんめ」
「はないちもんめ」は、わらべ歌に合わせてチームのメンバーを交換する遊びです。同じグループの子どもが横1列にならんで手をつなぎ、代表がじゃんけんをするところから遊びが始まります。
じゃんけんに勝った方から「勝ってうれしいはないちもんめ」と歌いながら足を前に蹴り上げ、負けたグループは「負けてくやしいはないちもんめ」と続けます。最終的にはグループで相談し、自分のグループに入れたい子どもを指名する流れです。
ただ、指名される遊びだからこそ、いつまでも自分の名前を呼ばれないと「みんなから嫌われているのかな?」と感じる子どももいます。遊ぶ前に「2回同じ子を選ぶのはやめよう」とルールを決め、不快にならないように配慮するのが大切です。
大人も一緒に!小学生以上にも人気の外遊び
友だちの家族・親戚などと、バーベキュー・花見などで集まる機会がある人もいるのはないでしょうか?幅広い年代で遊ぶときには、子どもはもちろん、大人も童心にかえって楽しめる外遊びがおすすめです。
「鬼ごっこ」で走り回ってストレス発散
1歳から就学前までの幼児期よりも、さらに体力がついてくる小学生以上には、思う存分に走り回れる鬼ごっこが向いています。
高いところにいる間は鬼からタッチされない「たかおに」や、鬼にタッチされると氷のように固まる「こおりおに」など、遊ぶ場所・人数に合わせて遊べます。
ただ、たかおにをする場合はとくに、遊んでいる間に転落する恐れがあるのも事実です。すべり台・ジャングルジムなど、落下しやすい遊具は避け、低くて登りやすいタイヤなどに留めておくのをおすすめします。
世代を超えて楽しめる「ドロケイ(ケイドロ)」
警察・泥棒のチームに分かれる「ドロケイ(ケイドロ)」は、子どもはもちろん、大人が参加しても盛り上がれる遊びです。「警察に捕まった泥棒はろう屋に入る」というように、リアルな要素を含んでいるのも特長です。
警察が泥棒をつかまえるというシンプルなルールながら、ろう屋から泥棒が脱走したり、仲間の泥棒が助けたりと、アレンジ次第で遊びの幅が広がります。
地域によっても遊び方が違うので、違う都道府県のルールを取り入れることで楽しみが広がるでしょう。
家族遊びにもぴったりな「かくれんぼ」
隠れる・探すチームに分かれて遊ぶ「かくれんぼ」は、役割分担・ルールを学ぶのにも役立ちます。子どもが隠れて親が探す形だと、赤ちゃんや保育園・幼稚園の子どもでも遊べます。
かくれんぼで遊ぶ際に注意したいのが、迷子にならないようにすることです。「見つかりたくない」という一心で、遊んでいるうちに遠くまで行ってしまう子どもは少なくありません。
かくれんぼをする前には隠れる範囲を決め、迷子にならないよう注意するのが大切です。
子どもに外遊びをさせるときの注意点
子どもが自由に外遊びをするためには、親の見守り・環境への配慮が大切です。外遊びをする前に、確認しておきたい注意点を3つ紹介します。
帽子を持参!こまめな水分補給も忘れずに
外遊びに出かける際には、帽子を忘れずに持参しましょう。つばが広くて首の後ろまでガードできる帽子だとさらに日が当たりにくく、熱中症の予防になります。
反対に、熱中症を予防するためにフード付きの服を着せるのはおすすめしません。遊具に引っかかるのはもちろん、後ろから引っ張られると転倒・落下につながる恐れがあるからです。
また、水分補給ができるように、水筒・ペットボトル入りの飲み物などを用意するのも大切です。とくに家から外遊びをする場所までが遠い場合には、こまめに水分を飲ませるように心がけましょう。
子どもは大人のように自分の体調変化を訴えられないこともあり、遊びに夢中になっている間に熱中症にかかるケースもあります。遊んでいる最中にも声をかけ、水分補給の時間をとるのをおすすめします。
参考:子どもの熱中症とは|国立研究開発法人 国立成育医療研究センター
遊びのルールを決めてけが・トラブルを防ぐ
外遊びは楽しい反面、思わぬ事故・トラブルにつながる可能性があるのも事実です。少なくとも小学生に上がるまでは、親が付き添っているもとで外遊びをさせるのをおすすめします。
また、子どもを自由に遊ばせたり、走り回らせたりする際も、様子を確認できる位置にいるのが大切です。とくに自我が強い幼児期には、ルールを決めたり、手本を見せたりしてトラブルになりにくい遊び方を示すのがポイントです。
もちろん、子どもの遊びに参加しながら、トラブル・けがにならないように見守る方法もあります。適度な距離感を保ちつつ、子どもが安心して遊べるように心がけましょう。
参考:公園で遊ぶのに保護者同伴 何歳まで?| 教えて!goo
猛暑日や風が強い日の外遊びは控えて
気温が高い日の外遊びは子どもの不調・けがにつながりやすいため、控えるのが無難です。熱中症警戒アラートが出ているような猛暑日はもちろん、風が強い日・雨の日に外出すると、子どもが体調を崩す恐れがあります。
とくに雨上がりの外出では、水たまり・ぬかるんだ土などで転んだり、すべったりする危険性が高いのも事実です。
また、公園に設置されている遊具の多くが、日光の熱を吸収しやすい鉄でできています。子どもがやけどをしないように、親が触ってみて遊具の熱さを確かめるのをおすすめします。
外遊びできないときは家で楽しめる遊びを
天候・家族の体調不良など、様々な事情で外に連れて行けない場合もあるでしょう。室内でできる遊びを知っておくと、親子のストレスを軽減できます。
人数・場所を選ばない「ジェスチャーゲーム」
身ぶり・手ぶりだけでお題を伝えるジェスチャーゲームは、親子・家族・きょうだいでも盛り上がれる遊びです。
遊び方は簡単で、出されたお題をジェスチャーで仲間に伝えます。ジェスチャーを見た人が、その動きが何を表しているかを答えるだけです。
ジェスチャーをする人がお題も考えると、2人しかいないときにも遊べます。反対に家族・親戚などが集まる場面では、縦に並んで前から順にジェスチャーをし、最後の人が答える方法もあります。
「折り紙・粘土遊び」で工作タイムを満喫
外に出られない日には、折り紙・粘土などで工作をして遊ぶのもおすすめです。0歳から使える米で作られた粘土を使うと、赤ちゃんが口に入れても害が少なく済みます。
また、3歳ごろからは親子で折り紙を使って手裏剣・花などを作るのも盛り上がります。折り紙が得意な子どもなら、本・動画などを見て難しい折り方に挑戦するのもおすすめです。
そのほか、誕生日・クリスマスなどのイベント前に、折り紙で部屋の飾りを作る方法もあります。
まとめ
家庭の状況・子どもの発達に合わせ、歩き始めたころを目安に外遊びを始めるのがおすすめです。外に出て新鮮な空気・太陽の光などに触れることで子どもの五感を刺激できるでしょう。
だからといって、「毎日、必ず公園に行かなければならない」と自分を追い込む必要はありません。子どもは身の回りの物から遊びや楽しみを見出す傾向にあるため、近くを散歩したり、ベランダ・庭などに出たりするだけでも十分刺激になるでしょう。
外遊びをするときは熱中症はもちろん、地面の状態・遊具の熱さを確認しておくと、子どもの事故・けがを防げます。年齢・人数・発達に合わせた遊びを選び、親子の気分転換に役立てましょう。