寝るとき靴下を履くのはダメ!冬の快眠「新常識」を睡眠のプロが教えます

夏の寝苦しさもつらいですが、冬に寝付けないのも厄介なもの。いつまでも眠れずに夜が明けてしまっては、翌日の仕事や生活にも支障が出てしまいます。そこで今回は、睡眠改善インストラクターの菊地 真由美さんに冬の快眠についてお話を伺いました。

快眠に超重要な「深部体温」をおさらい!

みなさんも耳にしたことがあるかもしれませんが、快眠に重要なのは「深部体温」です。まずはこの深部体温について解説してもらいましょう。

「夏でも冬でも快眠に重要なのは、何より深部体温です。脳も含めた内臓の体温である深部体温が下がることで、人は眠気が高まり自然な眠りへと導かれます。ところが、寒いからといってエアコンの温度を高めに設定して寝室を暖めすぎてしまうと、深部体温が下がりにくくなり寝入りが悪くなります。逆にヒヤッとするような冷たい布団にもぐりこむと、手足の毛細血管が縮まってしまい放熱効果が低くなり深部体温を下げられません。」

深部体温が下がると眠気も高まる

本格的な冬に向けて入浴習慣を

「深部体温を効率的に下げるには、一度深部体温を上げるのがポイントです。お風呂にゆっくりとつかって芯から身体を温めて深部体温を上げれば、それだけ下がる体温の幅もできるのでより入眠しやすくなります。冬の場合には、夏よりもお風呂の温度を少し上げて38℃~40℃のお湯で15分以上入るのが基本となります。夏にシャワーばかりだったという人は、これからの季節しっかりと湯船につかる習慣をつけていきましょう。」

日中よりも重要!就寝時にも乾燥対策を

菊地さんによると、深部体温の他にも冬の就寝環境で気をつけるべきなのは「湿度」とのこと。

「就寝時は日中よりも湿度に気をつけなければなりません。なぜなら寝ている間は、鼻やのどの粘膜が分泌されにくくなります。さらに湿度が低く乾燥していると粘膜を分泌する働きがより弱くなってしまうため、鼻やのどの防御力が低下し、鼻やのどが詰まってしまうのです。

就寝時の適切なお部屋の湿度は50%前後。お部屋全体をこの湿度に保つのが難しいという方は、顔周りだけのスポット的な加湿でも構いませんし、のどの保湿には寝る直前にお水を飲んだり、枕元にペットボトルなどを置いて適宜水分補給したりすることでも効果はあります。

また、お部屋の湿度コントロールを適切に行えば結露対策にもなるので、冬の湿度コントロールは夏よりも大切だといえるでしょう。」

枕の素材が肌の乾燥に影響も?!

冬に寝ている間に気になるのは、鼻やのどはもちろんのこと肌へのダメージ。実は、お部屋の乾燥以外にも、枕の素材が肌に影響を与えているかもしれないんです。

「寝てる間に人は何度も寝返りをします。枕の素材によっては、寝返りの際に枕と肌が摩擦することによって肌にダメージを与えてしまうことがあります。特に横向き寝の人は、枕と肌が触れる面積も多いため影響も大きいといわれています。

乾燥肌や敏感肌の人は、シルクや綿素材の枕カバーを使うことで、肌へのダメージも少なくできるでしょう。」

関連記事: