寝るとき靴下を履くのはダメ!冬の快眠「新常識」を睡眠のプロが教えます

冬の快眠「新常識」アナタの冷え対策、実はNGでした!

「冬はとにかく寒さ対策!」と考えて、就寝時にもさまざまな対策をしている人も多いのではないでしょうか。ところがその対策、実は快眠を妨げる原因になっている場合も。ここからは、実は間違っていたかもしれないこれまでの常識について、そして冬の快眠を導く新常識を菊地さんに解説してもらいます。

「足が冷えるから寝るときに靴下を履く」はダメ!

特に女性は、「冬は足が冷えるので靴下を履いて寝ている」という人も多いのではないでしょうか。最もオーソドックスな冷え対策と考えられますが、実は……。

「靴下を履いて寝るのは快眠にとっては間違いです。深部体温を下げるには手足の毛細血管からの放熱が重要なのです。靴下を履いてしまっていては、足からの放熱ができずに、いつまでも眠気が高まりにくくなります。

就寝前には履いていても大丈夫ですが、ベッドや布団に入る際には脱いでおきましょう。」

足の冷えが気になる人はレッグウォーマーを

「ただし、それでも足が冷たい・寒いという人には緩めのレッグウォーマーがおすすめです。レッグウォーマーなら、放熱に重要な部位である足首を締めつけずに放熱の邪魔をしないため、就寝時にも着けていて良いでしょう。」

電気毛布や湯たんぽも深部体温が下がりにくくなる

その他に、電気毛布や湯たんぽを使っている人も要注意。これらも深部体温を下げる妨げになるので、一時的には温かくて快適でも寝入りは悪くなってしまいます。

「電気毛布や湯たんぽを使うなら、就寝前に寝具を温めておくために使いましょう。寝具が一時的に温かくても、次第に手足から放熱されていくので入眠を邪魔しません。」

化繊のフリース素材は快眠の妨げに

冬の衣類として定番のフリース。実はこれも気をつけなければ快眠を妨げる要因に。

「化繊のフリースの場合、通気性が悪いものがあります。部屋着としては問題ありませんが、そのまま寝間着として着ると寝ている間にかいた汗がこもって、不快になるので寝間着としては向きません。綿など、通気性の良い素材の方が快眠を目指すなら最適です。」

部屋着のまま寝るとスイッチが切り替わらない

冬は寝具や寝間着など、身の回りのもので対策ばかり行いがち。ところが、その他にも重要なことがあるそう。

「寝入りを良くしてぐっすり眠るためには、『入眠儀式(ルーティン)』というものも大切です。寝る前に習慣的に同じ行いをすることによって、脳が『これから寝るんだ』というモードに入り、より眠りやすくなります。
例えば、部屋着と寝間着が同じでそのままベッドや布団に入るという人は、寝間着を別に用意しておくのがおすすめです。部屋着から寝間着に着替えるという『儀式』を行うことで、脳のスイッチを切り替えるきっかけにするのです。」

在宅勤務の人は入眠儀式を意識する

「最近では、在宅勤務の方も増えていると思います。あまり服装に気をつかわないで良い在宅勤務の場合では、部屋着のまま仕事をしたり、部屋で過ごしたりして、そのまま寝ている人もいるかもしれません。そうなると、脳のスイッチが切り替わらずにいつまでも寝られない、ということが起きてしまいます。「在宅勤務になってから寝付きが悪くなった…」など、睡眠に関する不調を感じる方は、この『入眠儀式』をつくってみると良いかもしれません。」

快眠のために冬の寝室環境を整えよう!

といってもやはり冬は暖かくして寝たいもの。そこで、快眠を妨げないエアコンの使い方などを紹介します。

快眠のためには寝る前に寝具を温めるが正解

「就寝時にエアコンを使うなら、室温は20℃前後、暖
かい空気は上に向かうため風向きは下にして稼働し続ける方が快適です。

ですが、エアコンの空気が苦手・乾燥してしまうという人におすすめなのは、就寝の20〜30分前に寝具をめくってエアコンをつけておく方法です。これなら寝具が温まって、入った時にヒヤッとすることもなく、温めすぎて深部体温を下げる妨げになることもなりません。エアコン以外にも、布団乾燥機で寝具を温めても良いでしょう。布団乾燥機なら、湿気対策やダニ対策にもなるのでおすすめです。

また、加湿機能つきの空気清浄機を併用するのもおすすめです。加湿機能で湿度コントロールを行いながら、空気の流れをつくることができるので、部屋の空気を循環してくれます。

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