会社経営者の夫と有利な条件で離婚するための5つのポイント

会社経営者の夫と有利な条件で離婚するための5つのポイント

3、会社経営者の夫と離婚した後の仕事について注意すべきこと

夫の経営する会社で妻も働いていた場合は、離婚後の仕事について以下の点に注意しましょう。

(1)離婚によって解雇されることはない

「離婚するとともに仕事を失うのでは?」とお考えの人もいると思います。

その心配はありませんので、ご安心ください。

労働契約を結んでいる以上、会社が労働者を解雇するには正当な理由が必要です。

離婚することは、解雇の正当な理由には当たりません。

したがって、離婚したからといって強制的に退職させられることはありません。

離婚したからといって、会社から退職を迫られた場合は、違法行為に該当します。

慰謝料を請求できる場合もありますので、弁護士に相談しましょう。

(2)退職は自由にできる

多くの人は、離婚後も夫の会社で働き続けたいとは思わないでしょう。

労働者側の意思で退職することに制限はあるのでしょうか。

結論として、労働者の方から退職することは自由です。退職予定日の2週間以上前に会社に申し出ることなど、必要な手続きはありますが、適切な手順を踏めば夫の会社から解放されるでしょう。

解雇ではなく労働者の意思で退職しているため、退職金支給規定があれば退職金も請求できます。

(3)事業の分離も検討する

人によっては、離婚後も今まで担当していた仕事を続けたいけれど、夫からは離れたいという場合もあるでしょう。

夫と共同で会社を経営していた場合や、共同経営とまではいかずとも妻にも相当程度の実権があった場合などに多いと考えられます。

このような場合には、妻が担当していた業務については分離して、新会社を設立したり個人事業として独立したりするなどの方法を検討するのもよいでしょう。事業上の資産の分配については、離婚による財産分与とは切り離して話し合うことが必要となります。

4、会社経営者の夫と離婚する場合に親権争いで注意すべきこと

次は、夫婦間に未成年の子供がいる場合の親権に関する注意点について説明します。

(1)妻の方が有利な場合が多い

親権争いでは、妻の方が有利になる場合が一般的です。その傾向は、会社経営者の夫と離婚する場合も同じといえるでしょう。

特に、夫が会社経営に忙しく子育てにあまり関わっていなかったような場合には、妻が親権者となるのに有利という傾向が強いといえます。

なかには、「経済力は夫の方が強いから、親権を取られてしまうのでは?」と心配する人もいるかと思います。

親権争いでは経済力も一つの要素として考慮されますが、主要な要素ではありません。

親権者は、子育てにより適している方がなるべきであり、収入や財産の多い方が親権者争いで有利になるわけではありません。

養育費は、離婚後も分担して負担すべきです。

離婚後に親権者の経済力が不足する場合には、非親権者からの養育費でまかなうことになります。

したがって、離婚後の経済状況が不安な方は、特に次項でご説明する養育費を適切に請求することが重要です。

(2)子供の意思も尊重される

離婚後に夫婦のどちらが親権者となるかを決める際には、子供の意思も尊重されます。

もっとも、子供が幼い場合には子供の意思を考慮するものの、基本的にはどちらが子供の養育に適しているかで判断されます。

子供が15歳以上の場合は、子供の意思によって結論が大きく左右されるでしょう。

同様に、子どもが幼い場合でも、本当に子供から嫌われているような親が親権争いで不利になることは言うまでもありません。

したがって、妻が親権を獲得するためには、日頃から愛情を持って子供を育てていたかどうかがポイントとなります。

(3)夫の実家が育てると言ってくるケースの対処法

夫自身が会社経営に忙しい場合でも、実家の両親などが子供の面倒を見るから親権は譲らないと主張してくるケースも少なくありません。

夫の実家が育てると主張するケースでも、妻がとるべき対処法は通常のケースと基本的には同じです。なぜなら、子供の養育は親の義務だからです。

夫が子育てに関われないために、夫の両親が代わりに育てると主張するようなケースでは、親権をとられることはほとんどありません。

ただ、子供を養育する体制が整っているかどうかという点は、親権争いの重要な要素の一つです。

妻も離婚後は忙しくなって、子育てに割ける時間が減るという場合もあります。

妻側でも親族など周りの人の協力や、確実に利用できる保育園を確保するなどの準備が必要となるでしょう。

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