会社経営者の夫と有利な条件で離婚するための5つのポイント

会社経営者の夫と有利な条件で離婚するための5つのポイント

5、会社経営者の夫と離婚する場合に養育費・婚姻費用で注意すべきこと

次に、養育費や婚姻費用に関して注意すべきことを説明します。

養育費とは、離婚後に親権者となった側が非親権者に対して、子育てにかかる費用として請求できるお金のことです。

婚姻費用とは、婚姻中に夫婦で分担すべき生活費のことですが、通常は別居中に収入が低い配偶者から他方に対して請求できる生活費のことを意味します。

これらの養育費や婚姻費用を請求する際には、以下の点に注意が必要です。

(1)基本的には「算定表」に従って計算する

養育費や婚姻費用の金額は、(元)夫婦間の話し合いによって自由に決めることができます。

一般的には、裁判所が公表している「算定表」の金額を目安に決めましょう。

参照:養育費・婚姻費用の算定表

この算定表には、子供の年齢や人数、両親それぞれの年収に応じて、目安とすべき養育費・婚姻費用の金額が記載されています。

家庭裁判所の調停や審判・離婚訴訟では基本的にこの算定表に記載された金額の範囲内で決められます。

ただし、お互いの話し合いによって合意できれば、この算定表の基準とは無関係に金額を定めることも可能です。

(2)相手の収入が高い場合の注意点

上記の算定表は、両親それぞれの年収を考慮して作成されていますので、夫が会社経営者の場合も、基本的にはそのまま適用できます。

ただし、相手の収入が相当程度に高い場合は注意が必要です。

この算定表には、支払義務者の年収が一定額を超える場合の記載がありません。

記載があるのは、給与所得者の場合で年収2,000万円まで、自営業者の場合で年収1,567万円までです。

この場合、養育費を求める算定式(これに基づいて算定表もつくられています)を用いてい個別に計算する必要があります。

収入が算定表を超える場合には弁護士に相談して、養育費は具体的にはどれくらいになるのか確認しましょう。

(3)養育費を十分に獲得する方法

養育費は、先ほども説明したとおり、子供を育てるために必要なお金です。

今まで会社経営者の夫の子として育ててきた以上、今後の養育にも相場以上のお金がかかる場合が多いことでしょう。養育費はできる限り多めに獲得したいですよね。

十分な養育費を獲得するためには、必要と考えられる金額を具体的に割り出すことが基本です。

まだ子供が幼い場合でも、どのような習い事をさせるのか、どのような学校に進学させるのかなどをシミュレーションして、必要な金額を試算してみましょう。

そして、相場を上回る養育費を獲得するためには、やはり話し合いで決着を付ける方が良い結果につながることが多いです。

相手の子供でもある以上は立派に育てなければならない、間違いがあると相手の名誉にも傷が付いてしまうなどと説明するとよいでしょう。

ここでも、高い交渉力が必要となるので、自分自身での交渉に限界を感じたら、弁護士に依頼するのがおすすめです。

また、相手は経済力のある男性なので、今後再婚することも十分に考えられます。

元夫が再婚すると、養育費を減額されることが一般的ですが、元夫の経済力が、その後も継続して高い場合には減額に応じる必要はありません。

さらに、将来、元夫が亡くなったとき、子供には相続権があります。将来の再婚や相続が発生したときには、新たにトラブルが発生することも考えられるでしょう。

離婚する時点で、これらの問題にどのように対応するのかも決めておくことが望ましいといえます。

6、会社経営者の夫と離婚するときには離婚協議書を作成すべき

会社経営者の夫と離婚するときには、裁判をするよりも話し合いで上手に交渉した方が、有利な条件で離婚しやすくなります。

話し合いがうまくまとまっても、口約束だけで済ませてはいけません。離婚が成立したら約束を守らなくなる夫も少なくないからです。

話し合いがまとまったら必ず「離婚協議書」を作成しましょう。

確実に約束を守ってもらうためには、強制執行認諾文言付きの公正証書で離婚協議書を作成するのがおすすめです。詳しくは、以下の記事をご参照ください。

離婚の話し合いには、交渉力が重要となります。

適切に交渉できなければ、不利な条件で離婚してしまうおそれもあります。

損しないためには、弁護士へ依頼することが重要です。

離婚問題に強い弁護士に依頼すれば、豊富な経験に基づいて適切に交渉してもらえるので、有利な条件を勝ち取れる可能性が高まります。離婚協議書も的確に作成してもらえるので、安心できるでしょう。

関連記事: