地震は予知できるの?地震予知・地震予報の現状

震源地で異常な現象が発生したときに出される地震臨時情報はある

地震予知はできませんが、地震発生の可能性の高まりを呼びかける情報はあります。その一つは気象庁が発表する「南海トラフ地震臨時情報」です。

南海トラフ地震に関する情報には以下の2つがあります。

(引用:気象庁「南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件」を元に一部改変して著者作成)

「南海トラフ地震臨時情報」とは、南海トラフが予想されているエリアにおいて大きな地震が発生したり、岩盤に大きな伸び縮みが見られたりした場合に、「南海トラフ付近に異常が起こっているので大地震など不測の事態に備えてください」と注意を促し、解説する情報です。

南海トラフ地震の発生前に異常な現象が発生するとは限らないため、この臨時情報が発表されずに大地震が発生する可能性もあります。

このように、気象庁では地震を予測するためにさまざまな取り組みを行っています。これらの情報を知ることも地震防災には大切です。

緊急地震速報は地震予知ではない

次に緊急地震速報について説明します。

緊急地震速報は、震度5強以上の強いゆれが来ると予想されたときに発表される情報です。

地震には、大きなゆれを感じる「S波」(秒速4km)、ほとんどゆれを感じない「P波」(秒速7km)と呼ばれる2種類の地震波があり、この秒速の違いを利用したのが緊急地震速報です。

全国に設置している地震計、震度計などがP波をキャッチした後、続いてやってくるS波(本震)に備えるのが目的です。

緊急地震速報が発表されてから数秒~数十秒で本格的なゆれが始まります。

「たった数秒~数十秒?」と思うかもしれません。しかし、数秒~数十秒あれば転倒リスクのある家具や家電から離れることができますし、屋外なら倒壊リスクのある建物から離れることもできます。

「緊急地震速報イコール地震予知?」と思う方もいるかもしれません。しかし、緊急地震速報は地震の発生後に発表されるので、地震予知ではありません。

関連記事: