英語の習い事が子どもに与える影響
英語を習わせたいと思っても、子どもにとってどんな効果が得られるのかが分からないと、一歩を踏み出せない人は多いことでしょう。英語の習い事が、子どもに与えるメリットについて解説します。
正しい発音が身に付きやすい
一般的に、大人になってから英語を習い始めるよりも、子どものうちから英語に親しんだ方が、英語の音が聞き取りやすくなるとされています。
小さいうちから英語に親しむことで「RとLの違い」などの微妙な発音の聞き分けがしやすくなり、正しい発音を身に付けるのに役立つのです。
発音の習得をメインに考えている場合は、聞いたり話したりする授業の割合が多いなど、発音にこだわった授業をしている教室へ通わせることが大切です。
異文化に親しめる
英語の学習を通じて英語圏の文化を知ると、異文化の勉強にもなります。スムーズなコミュニケーションを取るためには、英語の習得だけでなく文化を知ることも大事です。
英会話ができても、相手の国の文化をまったく知らなかったり興味がなかったりすると、相互理解が難しくうまく意思疎通を図れない原因になりかねません。
また、異文化への興味は「語学を学ぶモチベーション」にもつながります。何の目標もなく英語を学ぶよりも、未知の文化に触れて好奇心を満たしたいという気持ちがあった方が、はやく上達することでしょう。
英語に苦手意識を抱きにくい
はやいうちに英語の習い事を開始することで、学校で英語の授業が始まったときに苦手意識を持ちにくくなることもメリットです。
多様な人種が暮らしている国とは違い、日本語のみでの会話が一般的な日本では、外国語に苦手意識を持つ人が少なくありません。
苦手意識が大きいと習得のスピードが落ち、英語の学習そのものに拒否反応が出ることもあります。その点、小さなころから英語に親しんでいれば、学校での英語教育のサポートになるでしょう。
英語の習い事の種類
英語を習うといっても、方法は様々です。どのような種類があるのかを知っていると、子どもに合う習い方が選べます。英語教室の種類ごとに、特徴を見ていきましょう。
英会話教室
英会話教室はコミュニケーションを通じて、英語を話す・聞くといった能力を伸ばしたいときに向いています。
子ども向けの英会話教室は、歌や遊びなどを利用し英語に親しむことに重点を置いている教室が大半です。英単語や文法を暗記するというよりも、英語を使った会話力を鍛えられる授業内容となっています。
ただし、英文法の添削指導などを行っている教室もあり、文法や語彙力などをまったく学べないというわけではありません。
綴りと発音の関係がルール化された「フォニックス」と呼ばれる、英語を効率的に学べる仕組みを採用しているかどうかも、チェックしたいポイントです。
英語塾
英語塾は学年や習熟度ごとに組分けされ、読む・書くなどの文法を意識した授業が行われるのが一般的です。
英語を話せるようになることよりも、「学校教育のサポート」を目的としていることが多く、試験対策や成績アップなどを期待して通う人が多くなっています。
学校の授業を予習できたり、分からなかった部分を補ったりしたいときには英語塾の方が向いているでしょう。英語塾によっては話す・聞くなどの学習内容も取り入れられていますが、講師は日本人である場合が大半です。
本物の英語に触れさせたいと考えるなら、外国人の講師がいる英会話教室を探すようにしましょう。
オンライン受講・自宅学習
家の近くに英語教室がない場合は、オンライン受講や自宅学習を視野に入れましょう。どんなによい教室であっても「片道30分以上」かかるような場所だと、負担になります。
オンライン受講であれば自宅で講師から英語を教われるので、送り迎えの手間や交通費の心配をしなくて済むところがメリットです。1人で学習するのが難しい子どもでも、講師がいれば続けやすいでしょう。
オンライン受講を利用するには、通信環境や落ち着いて勉強に集中できる環境を整える必要があります。
自宅学習は教材を購入して学ぶ方法で、サービスによって教材の種類は様々です。テキストだけでなく、DVDやCDなどからも学べるものが多くなっています。
子ども向けの英語の習い事を選ぶポイント
同じ英会話教室と名乗っている教室でも、学べる内容はそれぞれです。英語の習い事を選ぶとき、どんな点を重点的にチェックすればよいのか紹介します。
授業内容のバランス
英語の習い事を選ぶときは、授業内容を重点的にチェックしましょう。
英語は国語と同様に、書く・読む・聞く・話すのバランスが重要です。会話ができても、書いたり読んだりできなければ英語の授業でよい評価は得られません。
教室によってどのような授業をしているかは違うので、英語を習得するうえで必要な技能をバランスよく学べる教室を選びましょう。
家で英語の絵本やアニメなどを利用して聞く・話すの練習をする機会があるなら、書く・読むを重点的に学べる教室を探すというように、不足分を補う形を取る方法もおすすめです。
入学してからイメージと違ったというミスを防ぐには、教室見学や無料体験などを利用する方法もあります。実際の雰囲気が分かるので、子どもに合うかどうか判断しやすいでしょう。
子どもの習熟度に合わせる
英語の習い事をさせるときは、子どものレベルや目的に合った教室に通わせることが重要です。英語以外にも学ばなければならないことはたくさんあるので、小さなうちから無理にハイレベルな教室に通わせる必要はありません。
年齢によっても、効果的な学び方が違ってくることがポイントです。未就学児に英語を習わせる場合、「子どもが楽しめる工夫」がされているかもチェックしましょう。
例えば、ハロウィンやクリスマスなど、季節ごとの楽しいイベントを通じて英語に親しめる機会が多ければ、積極的に通いたくなる子どもは多いはずです。
小学校中学年や高学年になったら、英語の授業をカバーできるような学習ができる教室を選ぶと成果を感じやすいでしょう。
英語の習い事をするときの注意点
英語の習い事を始める際、よい教室を探すことばかりに気を取られてしまいがちですが、注意点も押さえておきましょう。子どもに安心して学習してもらうために、注意したいポイントを紹介します。
継続しないと効果を感じにくい
語学を習得しても使わない時間が長いと、どんどん忘れていきます。英語の習い事をしても、英語に触れる機会が少ないと忘れてしまいやすいのです。
子どもは日本語の学習にも時間を使わなければいけないので、小さいころに英語を習っていても、中学生になるころにはすべて忘れていたということも起こり得ます。
特定の期間、習い事をさせて終わりではなく「無理なく継続できる方法」で、英語の学習を続けていく必要があるのです。
英語のアニメを見させる・英語の絵本を読ませるなど、自宅でも英語に触れる機会を作ってあげるとよいでしょう。
無理に学ばせると子どもが嫌がる可能性
成長してから英語で苦労しないように英語の習い事をさせても、無理強いすると英語嫌いになる可能性があります。
嫌々やっても正しい英語を身に付けることは難しく、ほかに学びたいと思えることを学習させた方が有意義だったと、後悔することになりかねません。
子どもが嫌がる場合、「興味を持ってくれそうな学習環境」を整えるとよいでしょう。英会話教室や英語塾を嫌がる子どもでも、自分のペースでできそうな自宅学習なら興味を持ってくれる場合もあります。
まとめ
子どものうちから英語に親しんでいると、学校で本格的な授業を始めるときのサポートになります。英語の習い事は、英会話教室・英語塾・オンライン講習・自宅学習などがあり、それぞれの特徴を押さえて選ぶと失敗しにくいでしょう。
はやいうちから英語の学習を始めるとよい効果がありますが、無理強いすると英語に苦手意識を持つ原因になるので、子どもが興味を持ってくれるやり方を探ることが大事です。
近くによい教室がない場合、オンライン講習や自宅学習も視野に入れると無理なく英語を学べます。子どもの生活を圧迫しないように、無理がない方法を選択しましょう。