防犯と美容・衛生も考えて。女性の非常用持ち出し袋

防犯と美容・衛生も考えて。女性の非常用持ち出し袋

女性が避難所で最も注意すべきことは「犯罪被害者にならない」こと

大きな災害が発生した時には、本来なら避難所が一番安全な場所でなくてはなりません。災害からは身を守れたとしても、残念ながら避難所には別のリスクもあります。避難所では、性犯罪を含めた犯罪が発生している現実があります。

東日本大震災などのこれまでの大規模災害時でも、同意のない性交の強要やわいせつ行為、性的ないやがらせや暴力などが発生していたと、報告されています。子どもや高齢者などが被害者となるケースもありますが、女性がターゲットになりやすいということも、事実です。

避難所では、できるだけ単独行動を避け、まわりの女性と声を掛け合い、複数人で行動するようにしましょう。複数人で行動する際にも、防犯ブザーや笛を身につけるようにしましょう。防犯ブザーは、災害時だけでなく、日常的に持ち歩くようにすることも、もちろん大切なことです。電池が切れていないか、日頃からチェックしておきましょう。

避難所では、性別関係なく、運営に参加することが必要ですが、男性だけの場に、女性が一人や少人数で加わらないようにすることも、必要なことではあるのです。

服装や持ち物なども、“女性らしくない”ものを備えておくようにしましょう。
ジェンダーレスな社会についての考え方が広まりつつある昨今、「女性は赤、男性は青」などといった、古くからあるイメージは変わりつつあります。しかし、市販されている女性用の非常用持ち出し袋などは、ピンクや赤色のものもあります。性犯罪から身を守るためには、こうした女性のイメージが一目でわかるようなものは、あまりお勧めできません。
服装も、避難所ではオシャレさよりも、動きやすさや過ごしやすさを重視しましょう。スカートよりもパンツ。長時間履いても疲れない靴やスリッパ、重ね着しやすい服を備えておきましょう。
服装は、地味に、シンプルに、動きやすさを重視して。おしゃれをしたい時には、薄くメイクをすると、良い気分転換になるかも知れません。

しっかりと備えていたとしても、性犯罪にあってしまう可能性はゼロにはなりません。もしも被害に遭ってしまったとしても、非があるのは加害者の方です。避難所相談窓口や自治体、警察の窓口などに知らせましょう。「性犯罪被害相談番号 #8103(全国共通)」に、電話で相談することもできます。

男性も考えることで、女性の備えも違ってくるかもしれない

ジェンダーレスな考え方が浸透してきたとしても、男性と女性の身体には大きな違いがあります。「男性だけ」「女性だけ」に配慮を求めるわけではありませんが、女性の身体のデリケートさや、女性だからこそ抱えるリスクや不安があることを、男性にも知っておいてもらうことで、女性の非常用持ち出し袋の中身も、もしかしたら少し違ってくるかもしれません。
少なくとも犯罪被害に遭わないための備えは、変わってくるのではないでしょうか。

避難所の運営は、男性が主体になりやすいという現実もあります。女性は、高齢者や子どものケアをする役割を担うことになりがちで、避難所の運営に関連したことは我慢をしてしまうこともあります。

性差に関わらず、それぞれがプライバシーに配慮しながら伝え合い、運営にいかしていくことで、避難所もより過ごしやすい場所にできるかも知れません。

<参考資料>
板橋区立男女平等推進センター スクエアー・I No.11

FUKKO DESIGNコロナ禍でもすぐできる防災アクションガイド

日経電子版 くらし&ハウス安心・安全

男女共同参画会議 監視専門調査会 防災・復興ワーキンググループ(第3回)

grape LIFESTYLE

減災と男女共同参画研修推進センター 国内における災害時の女性と子どもに対する暴力問題とその対策のあり方

関連記事:

配信元

moshimo ストック
moshimo ストック
私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?
私たち moshimo ストックは「もしも」のための防災情報メディア。 最近、地震や台風がよく起きるようになって心配。 防災をしようと調べてみたものの、何から始めればいいの…? 私たちも始めは知ることがたくさんあって、防災ってちょっと難しいな…と思いました。 でも、ちょっと待って下さい! もし何の準備もなく災害にあってしまったら大変です。 防災は少しずつでも大丈夫、「もしも」のための準備を始めませんか?