予想以上の津波の威力。過去の教訓から知る、命を守るための方法

予想以上の津波の威力。過去の教訓から知る、命を守るための方法

数十cm~1mと低くてもあなどれない津波

人への被害

数十cmの津波と聞くと海面がすこし上昇するだけで、大きな影響はないと思うかもしれません。しかし、津波による水の勢いは非常に強く、20~30cmの津波では浮輪につかまった幼児が1km以上沖に流されることがあり、大人でも身動きが取れなくなります。また、50cmを超えると大人も流されるため死亡率が急激に上がり、津波の高さが1mで死亡率は100%となります。
また、津波は河川をつたって遡上することがありますので、地震がおきたときには海はもちろん川にも近づかないようにします。海水浴や釣りなどで海の近くにいる場合には、予想される波の高さが数十cmだったとしても、必ず海から離れましょう。

なお、2020年より海水浴場などでは津波フラッグの導入がされています。津波フラッグは赤と白の格子状の旗で、大津波警報・津波警報・津波注意報の発表を知らせます。海水浴場の放送が波音や風で聞こえにくい時がありますので、津波フラッグにも注意をはらいましょう。

建物への被害

建物の被害では、浸水が1mを超えると木造家屋が半壊、2mを超えると多くが全壊します。石造家屋では4mまでは持ちこたえるとされていますが、浸水が低くても船や木材などの大きな漂流物がぶつかれば建物は破壊されてしまいますので、自分のところは大丈夫と思いこまずに避難を行いましょう。

津波は1回で終わらない

津波で注意しないといけないことは、津波は1回で終わらないこと。津波は押し引きを繰り返し何度もやってきて、第二波、第三波のほうが大きくなることもあります。波が引いた後に自宅に戻り被害にあったケースも多くありますので、必ず警戒や注意報の解除を確認してから戻るようにしましょう。

なお、「津波の前には、必ず潮が引く」という話がされることがありますが、いきなり大きな波が押し寄せることがあります。
潮の満ち引きで判断せず、地震や警報、注意報があったときには、すぐに避難を行いましょう。

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