男の子の初節句の意味と時期は?
男の子の初節句を祝うにあたって、詳しい意味を知っていた方が、より気持ちを込めて取り組めます。初節句の意味や行われる時期、飾りを飾るタイミングを見ていきましょう。
初節句は生まれてから初めて迎える5月5日
男の子の初節句は生まれてから最初に訪れる、端午の節句のことです。節句とは季節の節目のことで、中国から伝わってきた文化に日本の宮中行事が合わさって誕生したといわれています。
端午の節句は男の子の誕生や、健やかな成長を祈願する日です。日付は5月5日で、国民の祝日「こどもの日」としても知られています。
生後何カ月で初節句を迎えるかは、生まれた時期次第です。例えば、2022年の9月に生まれたら、2023年の5月5日が初節句になります。
赤ちゃんの祖父母を呼んで祝う家庭では、両家の都合に合わせて端午の節句の前後で日程調整することも珍しくありません。
初節句の飾りを飾るタイミングはいつ?
男の子の初節句の飾りは、3月中旬ごろ、春の彼岸を過ぎたあたりから飾ってよいとされます。4月に入ってから飾る家庭もありますが、少なくとも「初節句の日の1~2週間前ごろ」には飾り始めましょう。
鎧兜は彼岸を過ぎてから、こいのぼりは4月に入ってからというように、飾りの種類で時期を分ける家庭もあります。
直前になって飾るのは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起がよくないといわれています。端午の節句には厄払いの意味もあるため、一夜しか飾らないというのは、十分に厄除けができないと考えられているのです。
飾りを出したり設置したりするのは大変なので、余裕を持って準備するようにしましょう。
男の子の初節句を彩るものたち
男の子の初節句には、様々なものを用意して祝います。なくてはならないものではありませんが、飾りごとに意味があるため願いをこめてそろえるのもよいでしょう。
無病息災を願う「五月人形(鎧・兜)」
五月人形は男の子の初節句に飾る、代表的な飾りです。五月人形には様々なタイプがあり、鎧兜を着て武器を持った人形を飾る場合もあれば、鎧や兜だけを飾ることもあります。
ケースに入れて飾るだけでなく、実際に着用できるものもあり、どんなものを選ぶかは家庭によって様々です。
現代の感覚からすると鎧兜を飾るのは不思議に思われますが、武家社会が台頭していた時代に、鎧や兜を出して虫干しをしていた風習に由来するともいわれています。
また、鎧や兜は身を守る道具なので「病気や大きなけがなどがなく安全に育ってほしい」という願いも込められています。
立身出世を願う「こいのぼり」
男の子の初節句にこいのぼりを飾るのは、江戸時代の庶民が武家社会の風習にあこがれて始めたとする説があります。武家では跡継ぎの男の子が誕生すると、豪華な「のぼり」を立てて盛大に祝いました。
一方、庶民は暮らしに余裕がないため、紙で作った兜や、鯉の形に切り抜いた紙を飾って祝ったといわれています。のぼりに鯉を描いた理由は、中国の古事に由来する「登竜門伝説」が基になっているとされます。
伝説では急流を登り切った鯉が竜になることから、出世の象徴として大変縁起がよいものでした。鯉は水質の影響を受けにくい丈夫な魚としても知られ「元気に育つように」という願いも込められています。
初節句のお祝い方法は?
初節句は自宅を飾り付けるだけでなく、様々な方法で祝われます。食事会を開くときのポイントや、初節句の思い出を記録する方法を見ていきましょう。
食事会を開く
祝ってもらったことへの感謝の気持ちを込めて、両家の祖父母や家族を呼んで食事会を開く家庭は少なくありません。初節句の際は、赤ちゃんやママにかかる負担が大きいので、両家の家族だけで食事会をする家庭もあります。
誰を呼ぶかは、夫婦でよく話し合って決めることが大切です。初節句の祝いをもらったり、お世話になったりした人を呼んでもよいでしょう。
赤ちゃんの月齢が低く、世話が大変な場合は、自宅でできる範囲で行います。レストランやホテルなどの初節句プランを利用する方法もおすすめです。準備や後片付けの手間などがないので、自宅より過ごしやすいケースもあります。
食事会のメニューについて
食事会をするなら、メニューにもこだわりましょう。端午の節句では、かしわ餅やちまきなどを食べて縁起を担ぎます。
関東ではかしわ餅を、関西ではちまきを食べることが多く、どちらも餅や餡を葉で包んでいるのが特徴です。かしわの葉には子孫繁栄の意味が込められています。
ちまきに使用される笹や茅(ちがや)などには殺菌作用が期待できることから、厄除けの意味で食べられるようになったとされています。
ほかにも、勝男に通じる「かつお」や、まっすぐに伸びる「たけのこ」など、男の子の出世に縁起がよいとされる食材を取り入れてみましょう。
手作りにこだわりすぎず、赤ちゃんやママの体調に合わせて、そう菜やケータリングを利用しても構いません。
家族で写真撮影
初節句の祝いの場面を写真で残すと、成長してから見返すときに、きっと盛り上がるでしょう。
自宅で祝う場合は、リラックスした雰囲気で撮影でき、自然な様子を捉えられます。その日のために用意した飾りやごちそうも、一緒に撮影しましょう。
食事会に参加した人たち全員の写真を撮るには、セルフタイマーを使用することになります。赤ちゃんが目線を合わせてくれるかどうかは、そのとき次第ですが、撮影での苦労話もよい思い出です。
写真のクオリティーにこだわりたい場合は、写真館やフォトスタジオで撮影しましょう。自力では難しい、すてきな写真が撮影できます。
写真館やフォトスタジオは、様々な衣装や背景が用意されているところも魅力です。それなりに費用はかかりますが、特別な記念日の写真としていつまでも残ることを考えると、プロにお願いするのもひとつの方法です。
男の子の初節句に関するQ&A
男の子の初節句を初めて迎える家庭では、準備や進め方に戸惑うことが多いでしょう。4月に生まれた場合は、いつ祝えばよいのか悩みます。飾りを用意する人についての考え方や、お返しの金額などもチェックしましょう。
4月生まれの場合はどうする?
赤ちゃんが4月に生まれた場合、翌月にはもう初節句がやって来ます。出産直後のママは、体力的に祝うのが難しい場合も少なくありません。
退院直後は体調が十分に回復しておらず、疲れやすいので無理は禁物です。4月下旬に生まれた場合、まだ入院中である可能性も考えられます。
無理をせず「翌年の5月5日」に初節句の祝いをしましょう。もちろん、赤ちゃんとママの両方が元気で、何の問題もなければ、その年の5月5日に祝いをしても構いません。
五月人形・こいのぼりは誰が買う?
五月人形やこいのぼりは、赤ちゃんの両親ではなく、両家の実家が購入するケースが多くあります。しかし、確固とした決まりはなく、各家庭で異なります。
なかには、日本古来の風習に従って、母方の実家が用意すると決めている家庭もあるでしょう。現代では誰が用意するかに厳密な決まりはないので、家族で話し合って決めます。
たくさんの五月人形やこいのぼりがあっても、保管場所や飾る場所に困ってしまうので、両家が購入するといって譲らない場合、第1子は母方の実家に、第2子は父方の実家というように分けてもよいでしょう。
お祝いをもらった場合のお返しは?
お返しに食事会を開く場合は、特別な品物を用意する必要はありません。食事会に招待していない人から初節句の祝いをもらった場合「3分の1程度の金額のもの」を返すのが一般的です。
例えば、1万円を包んでもらったら、3000円程度の品物を返すのがおすすめです。初節句の祝いをくれる人は、祖父母や親戚などの身近な人が多いので、子どもの名前や写真を印刷したギフトを贈ると喜ばれるでしょう。
何がよいのか迷って選べない場合は、カタログギフトもおすすめです。受け取った人が好きなものを選べるので、いらないものをあげてしまったという心配がありません。
まとめ
男の子の初節句は、誕生を祝い健康を祈願する日です。両家の祖父母を招いて祝う家庭が多く、5月5日の周辺で日程を調整して食事会を開くことも少なくありません。
五月人形やこいのぼりは、春の彼岸を過ぎるころから飾り始め、一夜飾りにならないように注意します。昔は母方の実家が飾りを用意していましたが、現代では誰が購入してもよいことになっているので、家族で話し合って決めましょう。
出産直後に初節句を迎える場合は、翌年の5月5日に祝っても問題ありません。赤ちゃんやママの体調を最優先に考えましょう。