黄昏泣きの意味と期間
黄昏泣きとは、赤ちゃんが夕方になると泣きやまない状態のことをいいます。言葉の意味や、何歳ごろまで続くのかを見ていきましょう。
赤ちゃんが激しく泣き続けることをいう
黄昏泣きは「たそがれなき」と読み、主に黄昏時(たそがれどき)になると赤ちゃんが激しく泣き始めることをいいます。黄昏とは夕方の薄暗くなってきた時間帯を表すことから「夕暮れ泣き」ともいわれています。
海外では「コリック」とも呼ばれており、突然泣き出し、なかなか泣きやまないのが特徴です。黄昏泣きが始まると、1日に3時間以上や、1週間に3日以上にわたり泣き続けるとされています。
早朝や夜など、夕方以外の時間帯に泣き出す赤ちゃんも少なくありません。激しく泣く赤ちゃんもいれば、何時間もぐずり続ける赤ちゃんもいるため、個人差があることを覚えておきましょう。
黄昏泣きはいつからいつまでの期間?
個人差はありますが、赤ちゃんの黄昏泣きが始まるのは、早くても生後2週間ごろといわれています。生後2~3カ月ごろは特に激しく泣き出しますが、生後6カ月ごろを目安におさまるのが特徴です。
黄昏泣きが始まるタイミングや、泣き出す時間帯・頻度も一人ひとり違うため、自然におさまるのを待ちましょう。
一生懸命あやしてみても泣きやまず、大声で泣き続ける赤ちゃんを見ていると、不安になるママ・パパも多いはずです。赤ちゃんにはよくあることなので、心配しすぎず落ち着いて見守りましょう。
黄昏泣きの原因って?
長く続く黄昏泣きですが、明確な原因はないとされています。黄昏泣きについての理解を深めるため、原因とされる事柄をチェックしましょう。
はっきりとした原因は不明
黄昏泣きは多くの赤ちゃんに見られる現象ですが、その原因は不明とされています。小児科クリニックによると、黄昏泣きが起こる割合は以下のようです。
赤ちゃんの性別にかかわらず、起こるのが黄昏泣きの特徴です。母乳・ミルクなのかも関係なく泣き始めるため、何かを変えることでおさまるというわけではないようです。
「育児のやり方が間違っているのかも」と不安を感じる人もいるかもしれませんが、赤ちゃんが激しく泣くのは自然なことです。責任を感じて、自分を追い詰めないよう注意しましょう。
考えられる理由は?
黄昏泣きが起こる理由としては、まだ赤ちゃんの体が発達していないことが挙げられます。消化器官が未発達なため、おなかにガスがたまってしまい、不快感を訴えている可能性もあります。
不安な気持ちになっていたり、疲れて不機嫌になっていたりと、ほかにも様々な理由が考えられるでしょう。中には、おむつが気持ち悪いなど、明確な理由で泣いている赤ちゃんもいるかもしれません。
黄昏泣きが起こる明確な原因は分かりませんが、多くの赤ちゃんに起こる自然な現象ともいえます。困ってしまうかもしれませんが、普通のことだと割り切るのも方法のひとつです。
黄昏泣きへの対処法
赤ちゃんの黄昏泣きが気になるときは、いろいろな方法を試してみるのもポイントです。すぐにチャレンジできる対処法を紹介します。
スキンシップをたくさんする
赤ちゃんによっては、スキンシップを増やすことで、泣く時間が短くなるケースもあります。泣き出したときはもちろん、日常的に触れ合う時間を多く設けるのも効果的です。
赤ちゃんを抱っこする時間がない人は、積極的に声をかけてみましょう。離れているときもこまめに話しかけてあげることで、寂しい気持ちが軽減される可能性があります。
夕方は夕飯の準備などで忙しくなる時間帯なので、赤ちゃんが構ってほしくて泣いているとも考えられます。親子のコミュニケーションを増やすのも、基本的な対処法のひとつです。
母乳やミルクを飲ませてみる
赤ちゃんが大声で泣く原因として、空腹をアピールしていることも考えられます。この場合、母乳やミルクを与えることで、おなかがいっぱいになり、自然に泣きやむのが特徴です。
おなかが空く時間帯は決まっていないため、赤ちゃんが空腹そうであれば、スケジュールを気にせずミルクを飲ませることも検討しましょう。飲ませた後は、きちんとげっぷをさせることも忘れずに行います。
赤ちゃんがげっぷをしないままだと、ガスがたまりやすく、腹痛を引き起こす危険性があります。ストレスにならないよう、ミルクを飲ませた後は肩に乗せたり、座らせたりして、げっぷを出しましょう。
マッサージをしてあげる
黄昏泣きが続く赤ちゃんの中には、ガスがたまって不快な思いをしている子もいるようです。おなかが膨らんで苦しくなってしまい、泣いている可能性もあります。
胃腸を刺激するために、赤ちゃんの体をやさしくマッサージしてみましょう。手のひらでそっとおなかをなでたり、手足や背中などをトントンとタップしたりすると、赤ちゃんの気持ちが落ち着くこともあります。
うまくげっぷができずに、胃腸にガスがたまりがちな赤ちゃんも珍しくありません。外から見るだけでは分からないことなので、実際に触れ合って体の状態を確かめることも大切です。
散歩やドライブをする
いったん部屋を出て、外の空気を吸うことで赤ちゃんが泣きやむケースもあります。気分転換を兼ねて、赤ちゃんと一緒に出かけてみるのも有効な対処法です。
散歩に出かけるときは、赤ちゃんを抱っこしたり、ベビーカーを利用したりと、試しやすい方法を選びましょう。肌寒い時期は、おくるみを巻いて暖かくして出かける準備をします。
また、赤ちゃんを乗せてドライブに出かける方法もあります。車の揺れによって気持ちが落ち着く赤ちゃんもいるため、家族に運転を頼んで、ドライブに出かけてみるのもおすすめです。
気がまぎれるようなことをする
赤ちゃんがなかなか泣きやまないときは、気をまぎらわせるのもコツです。おしゃぶりなどのおもちゃを与えたり、音楽を聞かせたりすると、次第に楽しい気持ちになるケースもあります。
特に原因がなく泣いている場合は、別の何かに意識を向けさせるのも赤ちゃんを泣きやませる方法のひとつです。バウンサーに寝かせてみたり、お風呂に入れたりと、環境を変えてみるのもよいでしょう。
お風呂に入って体を洗うと、赤ちゃんがすっきりした気分になり、不快感が解消されるかもしれません。泣き出しそうなタイミングで気をまぎらわすのも、黄昏泣きを防止するポイントです。
黄昏泣きへのNG行為
赤ちゃんを泣きやませるためには、様々な工夫が必要です。黄昏泣きをしている赤ちゃんに、やってはならないことを解説します。
赤ちゃんを揺さぶる
泣き続けている赤ちゃんを、抱っこしてあやそうとするママ・パパも多いでしょう。赤ちゃんを泣きやませようとするとき、前後に強く揺さぶるのは非常に危険な行為です。
赤ちゃんはまだ首がすわっていないため、頭が揺れると、脳にダメージが与える危険性があります。
何度も激しく頭を揺らすことで、後遺症につながる場合もあります。泣き続ける時間が長いのが黄昏泣きの特徴ですが、泣きやまないからといって、赤ちゃんを無理やり揺さぶるのはNGです。
参考:赤ちゃんが泣きやまない 泣きへの理解と対処のために|厚生労働省
まとめ
黄昏泣きが始まると、赤ちゃんは大声で何時間も泣き続けます。すぐには泣きやまないため、見守っているうちに自分まで疲れてしまうママ・パパも多いようです。
育児は1日中続くものなので、ときには休憩を入れることも必要です。黄昏泣きは多くの赤ちゃんに起こる自然なことと捉え、泣きやませようと必死になるのは避ける方が賢明といえます。
スキンシップを取ったり、気分転換に出かけたりと、黄昏泣きの対処法はいくつも存在します。長く続いているときは、定期健診時やかかりつけの病院で相談してみるのもおすすめです。