「強制認知」とは?家庭裁判所の手続きや必要書類について解説

5、このような場合には強制認知の手続きを!

次のような場合には、強制認知の手続きを取った方がいいでしょう

(1)養育費をもらいたい場合

いくら生物学上の父だといっても、法律上の父子関係がないのであれば、子供に対する扶養義務を負いません。したがって、認知をしてもらえない場合は、任意に支払ってもらえない限り養育費用を負担してもらえないのです。

そのため、どうしても父に対して養育費の支払いを求めたい場合には、強制認知の手続きをとって、法律上の親子関係を設定する必要があります。

(2)父の財産を相続したい

また、法律上の親子関係がないと、父の財産を相続することができません。したがって、たとえば、今のところ養育費は払ってもらっているが、父に万が一のことがあったら、経済的なあてがなくなるといったような場合には、強制認知によって父子関係を生じさせておく必要があると言えるでしょう。

6、認知を求める調停の方法について

では、認知を求める調停はどのように行えばいいでしょうか。流れを確認しましょう。

認知を求める調停は、父の住所を管轄する家庭裁判所に、認知を求める子や子の法定代理人などが申立を行います。

申立に当たっては、定型の申立書が利用でき、その際に子と父の戸籍謄本、1,200円分の収入印紙などが必要になります。詳しい内容については、「家庭裁判所のウェブサイト」をご覧ください。

申立の後、1カ月程度で初回の期日が設定されます。その後はひと月に1回程度の割合で期日が指定されます。毎回の期日では、申立人→相手方という順番で交互にお互いの主張を調停委員に話し、これを調停委員から相手方の主張を聞くという形で話し合いを進めて行きます。1回の調停はおよそ2時間です。申立時点でどれだけ証拠があるか、双方の主張の内容がどういったものなのか等によって調停がまとまるまでの期間は区々ですが、5~6回(半年から8カ月)程度が一つの目安のようです。

調停がまとまり、父が認知をしてくれるということになると、合意に従った審判がなされます。

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