物損事故の違反点数に関するQ&A
Q1.物損事故とは?
交通事故を起こしたら、被害の大小にかかわらず、必ず警察への届け出をしなければなりません。
そして、警察に届け出た交通事故は、「物損事故」と「人身事故」の、いずれかに分類されます。
物損事故とは、被害が「物」の損害にとどまり、人的損害が発生していない交通事故形態です。
「人身事故」は、人をケガさせたり死亡させてしまったり、というように、人的損害が発生している交通事故形態のことをいいます。
Q2.物損事故を起こした場合、どのくらいの違反点数が加算される?
物損事故を起こした場合、どのくらいの違反点数が加算されるのでしょうか。
実は、物損事故は、「違反点数の加算なし」が原則です。
運転免許の停止処分や取消処分は、累積違反点数に応じて科せられるものですので、違反点数の加算がない以上、これらの処分を受けることもありません。
ただし、事故の態様や原因、被害の程度によっては、違反点数が加算されるケースがあります。
Q3.物損事故で違反点数が加算される場合
物損事故で違反点数が加算されるのは、下記3つのケースです。
当て逃げをした
建造物を損壊した
事故原因が交通違反だった
違反点数は、「基礎点数 + 付加点数」により算出されます。
① 当て逃げをした
物損事故を起こしたにもかかわらず、警察への通報などをすることなくその場から逃げた場合には、以下のとおり合計7点の違反点数が加算されます。
・「安全運転義務違反」による基礎点数:2点
・「物損事故の場合の危険防止等措置義務違反」による付加点数:5点
② 建造物を損壊した
交通事故によって家を壊すなど、建造物を損壊してしまった場合も、違反点数が加算されます。
加算される点数は、以下のとおりです。
・「安全運転義務違反」による基礎点数:2点
・「建造物損壊事故」による付加点数:3点もしくは2点
建造物損壊事故による付加点数は、不注意の程度によって異なります。
不注意の程度が重いときは3点、不注意の程度が軽いときは2点です。
③ 事故原因が交通違反だった
物損事故の原因が交通違反であった場合、その行為に対して違反点数が加算される場合があります。
例えば、酒酔い運転が原因で建物に衝突し、外壁を大きく損壊してしまったとしましょう。
本ケースでは、以下の違反点数の合計38点が加算されます。
・酒酔い運転による基礎点数:35点
・建造物損壊事故による付加点数:3点
まとめ
物損事故を起こしても、原則として違反点数が加算されることはありません。
ただし、当て逃げをしたり、建造物を損壊したりした場合には、例外的に違反点数が加算され、免許停止や免許取消の行政処分を受けることがあります。
物損事故から人身事故に切り替わった場合、ドライバーにはさらに重い処分が科されます。
交通事故問題をスムーズに解決するには、被害者との示談交渉をどう進めるかが重要なポイントとなります。
物損事故を起こしたら、なるべく早く弁護士に相談することがおすすめです。
弁護士へ相談することで、被害者との示談交渉が難航し、物損事故から人身事故に切り替えられた、といった事態でもスムーズに対応してくれるでしょう。
監修者:萩原 達也弁護士
ベリーベスト法律事務所、代表弁護士の萩原 達也です。
国内最大級の拠点数を誇り、クオリティーの高いリーガルサービスを、日本全国津々浦々にて提供することをモットーにしています。
また、所属する中国、アメリカをはじめとする海外の弁護士資格保有者や、世界各国の有力な専門家とのネットワークを生かしてボーダレスに問題解決を行うことができることも当事務所の大きな特徴です。
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