「電力ひっ迫」はなぜ起こる? 電力不足の理由と家庭でできる省エネ対策

エアコン暖房の賢い使い方と、暖めた空気をムダにしないコツ

エアコンをはじめとした暖房器具を節電しながら使うには、どのようなことに気を付ければ良いでしょうか? 藤原さんにアドバイスをもらいました。

設定温度に頼りすぎず、体感を大切にする

「部屋にいる人数が多ければ、室温も上がるもの。高性能なエアコンならそれらも考慮して自動で運転を行いますが、そうでないモデルもあるので、温湿度計をチェックしつつ体感温度で設定することも時には必要です」

暖房はできるだけひとつの部屋で

「冷房でも言えることですが、意味もなく別々の部屋で暖房を使うのはもったいないですよね。無理のない範囲で同じ部屋に集まった方が、節電効果は高いと言えます」

部屋から逃げる熱を抑える方法

「断熱性能の低い窓は熱の出入りが大きいため、せっかく暖めた空気が外へ逃げることになります。カーテンを閉めるだけでも大きく変わりますが、より効果を高めたいなら断熱カーテンを活用しましょう。レースカーテンと窓の間に下げることで断熱性能が高まるので、窓はもちろん扉のない階段などにもおすすめです。

なお、冷気は下に移動するので、丈は床に余るくらい長めの方が効果的。窓に使う場合はカーテンの間に空気層ができるため、結露の軽減効果も期待できます。“だまされたと思ってやってみたらすごく良かった!”という声もよく聞かれるので、ぜひお試しいただきたいですね。このほか、ワンルームの場合は、玄関ドアの冷気避けとなるパーテーションを使うのも良いでしょう」

日中の太陽の熱をたっぷり取り込む

「昼間に日差しが入る家なら、布団やクッションなどをひなたぼっこさせておくと、ある程度の熱をため込むことができます。濃色のカバーならより効率良く熱を吸収する反面、紫外線で色あせしやすいので注意を。日が暮れたらすぐにカーテンを閉めるようにすると、熱を逃がしにくくなるので習慣付けたいですね」

「節電アシスト機能つき」エアコンも

編集部からお伝えしたいのが、パナソニックのエアコン「エオリア」に対応したアプリ「エオリア アプリ」。節電アシスト機能がついていて、アプリの画面で電気の使用量と、そこからわかる電気代の目安がグラフで表示されます。前年と今年の比較をしたりと、スマートフォンの画面でわかりやすく確認できるから、楽しく節電に取り組めますね。ついエアコンをつけっぱなしで外出してしまった、なんてときにもアプリがお知らせ、外出先からでもアプリがあれば電源をオフにできるので、万が一エアコンを切り忘れても大丈夫。

さらに、最新のエアコンは機能が進化しており、省エネや快適性がグンと向上しているので、10年以上使用しているエアコンがあるなら、買い替えがおすすめ。最新の「エオリアLXシリーズ(2023年モデル)」は家庭用ルームエアコンでは唯一「2022年度省エネ大賞」を受賞しており、さまざまな省エネ機能が搭載されています。

健康と節約を両立させる、無理のない節電を実践しよう

「節電を考えることは大切ですが、過剰になるのはよくありません」と、藤原さん。

「“我慢は美徳”と考えられることもありますが、健康を害してしまっては本末転倒。お金はもちろん、時間や手間も余計にかかってしまうので、優先順位を間違えずに無理なく適切な節電行動をとるようにしてください。また、いくら部屋の暖かい空気を逃がしたくないからといっても、換気を怠るのはNG。1時間のうち、5分が寒くても残りの55分が暖かければいいと考えて、惜しまずに換気しましょう」

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