婚外子の法的立場を弁護士が解説|未婚の母が婚外子を幸せに育てるコツ

婚外子の法的立場を弁護士が解説|未婚の母が婚外子を幸せに育てるコツ

5、父親が日本人、母親が外国人の場合の婚外子は日本国籍を取得できるか

我が国の国籍法上、子が出生により日本国籍を取得するのは次の3つの場合とされています。

出生の時に父又は母が日本国民であるとき
出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき
日本で生まれ、父母がともに不明のとき、又は無国籍のとき

そして、父親が日本人、母親が外国人の場合に、父親が子供を生後に認知しても、「出生時」には父親がいなかったことから、子は日本国籍を取得しないと考えられ、例外的に、父親と母親が婚姻したときに限り、日本国民として国籍を取得できるとされていました。

しかし、最高裁判所は、2008年6月4日、出生数に占める非嫡出子の割合が増加していることや、家族生活や親子関係の実態も変化し多様化してきていること等を指摘し、当時の国籍法が違憲である旨の判決を行いました。

その後、国籍法は改正され、父親と母親が婚姻していなくとも、日本人である父親が認知をしたときは、届出をすることで日本国籍を取得することができるようになりました。

6、フランス等の外国の婚外子事情

日本は、諸学国に比べて、婚外子の割合が非常に少ないと言われています。特に儒教圏であるアジアは、欧米に比べて婚外子の割合が少ないと言われていますが、そのアジアの中でも日本は婚外子の割合が最も少ないと言われているのです。

例えば、フランス等では、婚外子の割合が全出生者の半分以上になっていることが有名です。フランスに限らず、スウェーデンやデンマークなども婚外子の割合が高い国として知られています。

欧米で婚外子割合が高い要因としては、結婚に伴う法的保護や社会的信用が結婚していなくとも与えられているという側面や、若者が未婚で子供を産んでも、国や社会による一定の保護により何とか育てることができるという側面が指摘されています。

現在の日本では、出生率の低さが問題視されています。

この突破口の1つと考えられているのが、事実婚や未婚状態を例外として扱わず、当たり前の家族形態として制度をもっと整えていくこととも言われています。

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