ベビーベッドの必要性とメリット
出産準備品として定番のベビーベッドですが、その必要性については様々な見解があります。要・不要を適切に判断するためのヒントとして、まずはベビーベッドの主な必要性とメリットから確認していきましょう。
赤ちゃんが快適に過ごせるスペースを確保できる
赤ちゃんの周囲には、思いがけない危険が多数存在しています。
きょうだいがいる家庭では、ママ・パパが目を離した隙に、赤ちゃんと遊んでいるつもりが危険なちょっかいを出してしまったというケースが珍しくありません。ペットがいる場合も、同様のリスクが考えられます。
また、大人用ベッドで赤ちゃんを寝かせる場合、大人用の毛布や布団による窒息、転落の危険性も考慮する必要があるでしょう。
その点ベビーベッドがあれば、こうした危険からも赤ちゃんを守れます。ベビーベッドは、赤ちゃんが安全かつ、快適に過ごせるスペースとしても大切な役割を担っています。
アレルゲンになりやすいものから遠ざけられる
生後間もない赤ちゃんにとってリスク要因となるのは、きょうだいや、ペット・窒息の危険性だけではありません。ホコリやダニといったアレルゲンになりやすいものも、赤ちゃんにとってはリスクとなります。
ホコリやダニなどのアレルゲンは、床に近い場所に多く存在するといわれています。赤ちゃんをアレルゲンから遠ざけるには、床からできるだけ遠い場所で過ごさせることが大切です。
その点、床から一定の距離を保てるベビーベッドは、赤ちゃんの生活の場としてぴったりです。アレルギー対策を考えるなら、ベビーベッドは導入したい育児用アイテムといえるでしょう。
おむつ替えなどのお世話もスムーズにできる
ママ・パパが赤ちゃんのお世話をしやすいのも、ベビーベッドを用意することで得られる大きなメリットです。
床に布団を敷いた場合、おむつ替えや着替えは、かがんで行う必要がありますが、決して楽なことではありません。特に、おむつ替えが頻繁な生後間もない時期は、ママ・パパの大きな負担になるでしょう。
一方、高さがあるベビーベッドの場合、赤ちゃんの身の回りのお世話が比較的スムーズにできるので、ママ・パパの負担も必要最小限に留められます。
設置場所に合うサイズのベビーベッドの選び方
ベビーベッドを用意するにあたり、忘れずに確認したいのが設置場所との兼ね合いです。設置場所に合うサイズのベビーベッドを選ぶ際に意識したいポイントをチェックしましょう。
標準サイズかミニサイズか
ベビーベッドのサイズは、基本的に以下のふたつに分かれます。
・標準(レギュラー)サイズ:約120×70cm(内径)
・ミニサイズ:約90×60cm(内径)
一般的に多く流通しているのは、標準サイズです。ベビーベッド用の布団として販売されているものも、このサイズに合った製品が多いため、サイズに迷ったときは、標準サイズを選ぶのがおすすめです。
一方、標準サイズは、ミニサイズよりも大きいぶん、多くのスペースを要します。ママ・パパが使うベッドの横にベビーベッドを設置するなど、スペースに限りがある場合は、ミニサイズを選択する方が適しています。
ハイタイプかロータイプか
一般的なベビーベッドは、以下に紹介する「ハイタイプ」と「ロータイプ」の2種類の高さに分かれます。
・ハイタイプ:床から床板までが約70cm・ベッド自体の高さが約110cm
・ロータイプ:床から床板までが約45cm・ベッド自体の高さが約85cm
ハイタイプのベビーベッドの大きな特徴は、ママ・パパが立ったまま無理なくお世話できることです。お世話のために腰をかがめる必要がないため、足腰への負担も軽減されます。
また、きょうだい・ペットのいたずらや、アレルゲン対策の観点からも、床から離れたハイタイプのベビーベッドがおすすめです。
一方、ロータイプのベビーベッドは、ママ・パパとベッドを並べたときに、赤ちゃんの様子が見えるため、添い寝しやすいというメリットがあります。
また「万が一の転落を考えてロータイプを選ぶ」というママ・パパも少なくありません。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自宅に合った高さのベビーベッドを選ぶのがおすすめです。
置き場所で考えたいこと
寝室に設置することを考えた場合、6畳(約264×352cm・江戸間)の部屋に、夫婦のシングルベッド(約97-100×195cm)が2台ある状況でベビーベッドを置くと、空間の余裕はほとんどありません。
人の出入りが多いリビングに設置する場合にはなおのこと、生活動線を邪魔しないサイズ感の商品を選ぶことが重要です。
空間に余白を持てるかや、日当たりはどうかなど、実際に設置した際のイメージをしっかりと持つことが大切です。
サイズ以外に注意したいベビーベッドの選び方
ベビーベッドを選ぶにあたっては、サイズ以外にも注目したいポイントがあります。なかでも特に注目したい点をチェックしていきましょう。
PSCマーク・SGマークがあるかチェック
大切な赤ちゃんを寝かせるベビーベッドは、安全性が保証されている商品を選びたいものです。
そこで注目したいのが「PSCマーク」と「SGマーク」です。それぞれ一定の安全基準をクリアした商品であることを証明するもので、PSCマークは消費生活用製品安全法より、SGマークは一般財団法人製品安全協会によって認定されます。
なお、PSCマークが付与されていないベビーベッドは「消費生活用製品安全法」によって国内での販売が原則禁じられています。
万が一のリスクを避けるためにも、PSCマーク・SGマークのあるベビーベッドを選びましょう。
参考:消費生活用製品安全法 |METI/経済産業省関東経済産業局
参考:0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください|消費者庁
ベビーベッドの機能性も重要
近年販売されているベビーベッドは、様々な機能が付いているものが多くなっています。ライフスタイルに合った機能の商品を選ぶことで、快適かつ便利に過ごせるでしょう。
例えば、キャスター付きの商品の場合、ベビーベッドの場所を簡単に移動できます。昼間はリビングに、夜間は寝室など、常に目の届く範囲まで動かせます。
また、各面の柵を開閉できるベビーベッドなら、赤ちゃんを抱っこしたり、おむつ替えをしたりするのも簡単です。高さ調整機能付きならば、必要に応じてハイタイプ・ロータイプに変更できます。
なかにはベビーサークルや収納棚として、長期的な使用も可能な商品があります。求める機能を事前にピックアップし、商品を絞り込んでいくのがおすすめです。
標準サイズのおすすめベビーベッド
実際に販売されているベビーベッドには、どのようなものがあるのでしょうか?まずは、標準サイズ「約120×70cm(内径)」の人気ベビーベッドから紹介します。
IKEA「スンドヴィーク」
シンプルながら洗練されたデザインが印象的な、スウェーデン発祥の家具メーカーIKEAの人気商品です。
高さを2段階調節できるロータイプで、側面の板を取り外しできます。赤ちゃんの成長後には自分で出入りできる子ども用ベッドとして活躍してくれます。
※SGマーク・ヨーロッパ安全基準EN取得済
・商品サイズ :約86×125×67cm
・商品名:IKEA「スンドヴィーク」
カトージ「ベビーベッド ハイポジション アーチ」
腰を曲げずに赤ちゃんのお世話ができる、ハイタイプのベビーベッドです。
床板の高さは4段階調節が可能で、赤ちゃんの成長に合わせて変更できます。ベッド下のスペースが広く作られているため、清掃がしやすく、ベッド周りの衛生面が気になるママ・パパも安心して使用できるでしょう。
扉は扱いやすいスライド式で、赤ちゃんの頻繁なお世話も無理なく行えます。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約121×124×78cm
・対象月齢:新生児~24カ月
・商品名:カトージ「ベビーベッド ハイポジション アーチ」
石崎家具「エリーゼ」
ナチュラル・ホワイト・ブラウンの定番の3色展開に、クラシカルなデザインが落ち着いた雰囲気を演出するロータイプのベビーベッドです。
ベッド下に広々とした収納スペースが設けられ、赤ちゃんのお世話用品をまとめて収納できます。
4本の足はキャスター付きで、うち2本はストッパーも付いています。スタンダードなベビーベッドを希望している人におすすめです。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約93.5×124.8×77.3cm
・対象月齢:生後24カ月以内の乳幼児
・商品名:石崎家具「エリーゼ」
ミニサイズのおすすめベビーベッド
ミニサイズ「約90×60cm(内径)」のベビーベッドは、新生児~6カ月ごろの使用を想定したベッドです。里帰り先での使用など、使用時期や限られたスペースでの利用に便利な、ミニサイズのベビーベッドのおすすめ商品をチェックしていきましょう。
ヤトミ「ミニベビーベッド ミミ2」
4カ所のキャスターすべてにストッパーが付いている、ハイタイプのベビーベッドです。
2段階の高さ調節が可能な床板には、通気性の高いすのこが使用され、汗をかきやすい赤ちゃんの快適さを保ちます。
ベッド下に用意された収納部には扉がないため、おむつ替えや、頻繁な着替えなど慌ただしい赤ちゃんのお世話もスムーズに行えるでしょう。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約100.7×95×68.5cm
・商品名:ヤトミ「ミニベビーベッド ミミ2」
ファルスカ「ミニジョイントベッド Neo」
省スペースにこだわり、本当に必要な機能だけを厳選して作られたロータイプのベビーベッドです。
ベビーベッドとしての役割を終えたあとは、変形させてベビーサークルや、キッズベンチとして利用できます。キッズベンチの場合、6歳ごろまで長期にわたり使用可能です。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約70×95×65cm
・対象月齢:約0~24カ月ごろ
・商品名:ファルスカ「ミニジョイントベッド Neo」
機能的なおすすめベビーベッド
機能性でベビーベッドを選びたい人に、おすすめの商品を4点紹介します。
アップリカ「ココネル エアー AB」
赤ちゃんの快適さにこだわった、折りたたみも可能なベビーベッドです。
マット部には通気性とクッション性に優れた素材を使用し、蒸れを防ぐのと同時に、赤ちゃんの体への負担を軽減してくれる仕様です。ベッドを囲うメッシュガードも柔らかい素材が採用されているため、赤ちゃんの体があたってもケガをしにくくなっています。
キャスター付きで、移動が簡単に行えるのもうれしいポイントです。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約95.1×105.2×70.4cm
・対象月齢:新生児~24カ月(体重13kgまで)
・商品名:アップリカ「ココネル エアー AB」
ホップル「べベッド ベビー」
シリーズパーツの組み合わせによって、ベビーベッド・サークルベッド・添い寝ベッドなど、約10年間使用できるベビーベッドです。
角を作らない角丸設計で、赤ちゃんの安全性と同時にデザイン性も高めています。「ベビーベッドを用意するなら、変形できて長く使えるものがいい」と考えていた人にぴったりの商品といえます。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約126×77×85cm
・対象月齢:0カ月~
・商品名:ホップル「べベッド ベビー」
ストッケ「スリーピー ベッドセット V3」
木材の風合いを生かした、優しい楕円形の北欧デザインが印象的なベビーベッドです。センターの柵を外してパーツを取り付けければ5歳ごろまで使えるベッドになるため、長く使用できます。
ヨーロッパの製品安全基準「EN716-1」と「EN1130-1」に適合しているため、安全性が気になるママ・パパも心置きなく使用できるでしょう。
・商品サイズ:約87×82×67cm
・対象月齢:0歳~
・商品名:ストッケ「スリーピー ベッドセット V3」
ベルメゾン「低ホルマリンのミニ多機能ベビーベッド」
ベビーベッド・サークル・収納ラックと、赤ちゃんの成長に合わせて3wayで使える多機能ベビーベッドです。
低ホルマリンの木材・接着剤・塗料を使用し、健康面にも配慮しています。
角のないデザインや、大容量の収納など、赤ちゃんとママ・パパそれぞれの安全性や、使いやすさにこだわった商品です。
※PSC・SGマーク取得済
・商品サイズ:約90×95×68cm
・対象月齢:2歳まで
・商品名:ベルメゾン「低ホルマリンのミニ多機能ベビーベッド」
ベビーベッドはいつまで使うもの?
ベビーベッドの購入を検討するなかで、使用期間が気になる人も多いのではないでしょうか。一般的なベビーベッドの使用期間を確認しましょう。
対象月齢は24カ月程度までのものが一般的
ベビーベッドの使用期間は、新生児~24カ月程度が一般的です。
とはいえ、つかまり立ちができる程度に成長した赤ちゃんは、柵を乗り越えるリスクも考えられるため、実際のところは24カ月まで使い続けられるとは限りません。
特にミニサイズのベビーベッドを選んだ場合、赤ちゃんが寝返りを始めるころから窮屈さを感じやすくなります。場合によっては、予想外に短期間しか使えないケースがあることも心に留めておく必要があるでしょう。
実際には12カ月程度で卒業する赤ちゃんもいる
メーカーの推奨期間はさておき、実際のところは12カ月程度でベビーベッドを卒業する赤ちゃんも珍しくありません。
それぞれの赤ちゃんの成長度合いにもよりますが、寝返りや、つかまり立ちなど、自分の意思で動けるようになった赤ちゃんをベビーベッドに留めておくのは、安全性の面からも難しいのが現実です。
「思い切って購入したのに、結局1年そこそこで使わなくなってしまった」と感じている人も多くいます。
ベビーベッドの購入に迷ったらレンタルもあり
ベビーベッドを短期間しか使わない可能性について不安を感じるなら、レンタルを利用するのもひとつの方法です。レンタルのメリットや、上手な利用の仕方を紹介します。
数カ月試してから購入を検討しよう
業者によって多少の違いはありますが、ベビーベッドのレンタルは、10日前後や1カ月といった短期間でも利用可能です。
最終的には購入を予定している場合でも、本当に合った商品を見極める意味で、レンタルを利用してみるのもよいでしょう。
レンタルの場合、使わなくなった時点で返却できるため、処分の手間もありません。特にベビーベッドの利用そのものが初めてのママ・パパの場合、まずはレンタルで試し、実際の使用感を確かめてみるのがおすすめです。
まとめ
ベビーベッドは、赤ちゃんが安全かつ、衛生的に過ごす上で役立つベビー用品です。きょうだいやペットがいたり、衛生面などが気になったりする場合には、導入を検討したいアイテムといえます。
ベビーベッドを選ぶ際は、サイズ・高さ・設置場所についてしっかりと検討することが大切です。いきなりの購入に不安があれば、レンタルするのもひとつの方法です。赤ちゃんを始め、家族にとっても快適な空間作りをめざしましょう。