トイレの「大」と「小」を押さなくても、自動で判断して流してくれる自動洗浄は非常に便利な機能です。しかし、「小」なのに「大」で流されることがあるのを知っていますか?
人によっては、毎回「大」になっているかもしれません。そして、それを放置していると損失が10年間で7万円に膨れ上がってしまう可能性があるのです。本記事では、トイレの自動洗浄機能の仕組みや、水道代について解説します。
自動洗浄機能の仕組み
トイレの自動洗浄機能はどうやって「大」と「小」を判断しているのでしょうか。それは、便座に座っている時間です。
便座に座ってから立ち上がるまでの時間をトイレがカウントし、長ければ「大」、短ければ「小」と判断し洗浄するのです。「大」と「小」の線引き時間はメーカーによって異なります。トイレの大手メーカー3社の判定時間は図表1のとおりです。
図表1
メーカー名 | 小→大になる時間(基本設定) |
---|---|
TOTO | 120秒超 |
LIXIL | 50秒以上 |
Panasonic | 50秒超 |
各メーカーのサイトを基に筆者作成
トイレでゆっくりすると「大」になる
自動洗浄機能は、便座に座っている時間で「大」か「小」かを判断しています。図表1の設定時間は、メーカーでさまざまな実験が行われた上で決定されたものではあると思いますが、順調に用を足し終わった場合の時間なのではないでしょうか。
トイレで以下のような用を足す以外のことをする習慣のある人は、図表1の時間などすぐに経過して実際は「小」でも「大」判定されていると考えられます。必要以上の水が使われていることになり、もったいないですね。
●トイレにスマホを持ち込む
●トイレで考え事をする
●トイレが心落ち着く場所になっている
「大」と「小」でいくら違うのか
それでは「大」と「小」で水道代が1年間でいくら変わるのかを計算してみます。計算例の条件は以下のとおりとします。
●水道1リットル当たりの単価:0.24円(東京都水道局)
●大1回当たりの水道使用量:8リットル
●小1回当たりの水道使用量:4リットル
●1日当たりのトイレ使用回数:(大1回+小5回)×家族4人分
【相応に判定された場合】
(8リットル×1回×4人+4リットル×5回×4人)×365日×0.24円=9811.2円
【すべて「大」判定された場合】
(8リットル×6回×4人)×365日×0.24円=1万6819.2円
1年間の水道代の差は、1万6819.2円-9811.2円=7008円となりました。思ったより大きな金額なのではないでしょうか? 「自動洗浄機能の便利さに比べれば、7000円なら問題ない」という人は、10年では7万円の差になることを考えてみてください。
配信: ファイナンシャルフィールド