2024年からNISAの投資期間や投資枠が改正されました。新しくなったNISAですが、投資が怖くてまだ手をつけられていなかったり、余剰資金が少なくてまだ始めていない人もいるかもしれません。
本記事では新NISAの「つみたて投資枠」の基礎について解説し、さらに「月1万円を預貯金した場合とNISAで積み立てた場合の比較」「NISAを始めるにあたって注意したいポイント」について解説していきます。NISAを始めてみようか悩んでいる人はぜひご覧ください。
そもそもNISAとは?
日本銀行の調査で「2022年6月時点で、日本の金融資産2000兆円のうち、半分を占める約1000兆円が預貯金である」ことが明らかになりました。この状況を受け、政府が「貯蓄から投資へと促すことで所得を倍増させよう」という考えの下で打ち出されたのが新NISAです。改正により、以前よりも投資におけるメリットが拡充されました。
新しくなったNISAの具体的な制度の内容は図表1の通りです。新NISAでは少額から積み立てできる「つみたて投資枠」と、まとまった資金で投資する「成長投資枠」の併用が可能となっています。
図表1
金融庁 新しいNISA「あたらしいNISAのポイント」より引用
月1万円を貯金した場合と、つみたて投資枠で運用していた場合ではどのくらい差がつくの?
実際に月1万円ずつの積み立てを、NISA(つみたて投資枠)で運用したケースと、預貯金で貯めたケースの比較をしていきましょう。シミュレーションを以下のような条件で進めていきます。
●預貯金は現在のゆうちょ銀行の普通預金金利0.02%
●NISAにおける予定利回りは3%、5%
図表2
積立期間 | 預貯金
(0.02%) |
NISA(つみたて投資枠)
(利回り3%) |
NISA(つみたて投資枠)
(利回り5%) |
---|---|---|---|
1年 | 12万24円
(+24円) |
12万1664円
(+1664円) |
12万2789円
(+2789円) |
10年 | 120万240円
(+240円) |
139万7414円
(+19万7414円 |
155万2823円
(+35万2823円) |
金融庁 資産運用シミュレーションより筆者作成
この表を見て分かる通り、普通預金に預けているだけだと10年たってもわずか240円しか利息が付きません。一方でNISAは積み立てた年数が長ければ長いほど利益が出ていることが分かります。10年後の預貯金とNISAの金額を比較すると、利回り3%の場合は約20万円、利回り5%の場合は約35万円もの利益の差が生まれています。さらにNISAは運用利益が非課税のため、利益は全額受け取れます。この金額の差を見ると、少額でもNISAのつみたて投資枠で積み立てておいた方が利益が出ることが分かるでしょう。
配信: ファイナンシャルフィールド