ADR(裁判外紛争解決手続)はこんな人におすすめ
■あまり争わずに穏便に離婚したい
離婚する相手ではあるものの、一度は好きになって結婚した人と徹底的に争いたいわけではない、できれば穏便に別れたい、という人は少なくありません。
ましてや、子どもがいるご夫婦であれば、離婚後も子どもの父親と母親として、ある一定の関係を保っていかなければなりません。
この点、ADRは民間の機関なので、申し立てられた側の受け止めも家裁よりソフトです。
また、話合いの構造も、別席調停にて双方が悪口の応酬をするのではなく、同席にて理性的に問題解決をはかるADRのほうが紛争性が高まりません。
そのため、なるべく穏便に離婚したいという人は、家裁の手前の協議方法である民間の調停機関ADRがおすすめです。
■費用がかけられない
高額な弁護士費用は出せないけれど、自分ひとりで家裁の調停を利用するのは不安だという人にもADRがおすすめです。
ADRの場合、調停人の専門性の高さが確保されていますので、理不尽に説得されたり、偏見や思い込みで判断されることもありません。
また、法的知識だけではなく、調停技法も学んだ調停人であれば、当事者の自己解決力を引き出してくれることでしょう。
■仕事を休めない
ADRは平日の夜間や休日も調停が可能です。
そのため、仕事が忙しくて平日は休めないという人はADRがおすすめです。
■DV被害で相手が怖い人
DV案件を家裁の調停でおこなう場合、待合室を別階にしたり、来庁時間をずらしたりといった配慮がありますが、同時間帯に同じ建物の中にいることになります。
そのため、それだけで心理的な圧迫を感じる人や裁判所から後を付けられて自宅が発覚することが怖いという人は、オンライン別席調停が気軽に使えるADRがおすすめです。
■早く離婚したい
子どもの進学の節目など、離婚したい時期が決まっている人は、早期解決が見込めるADRがおすすめです。
逆に、時間をかけてゆっくりと話し合いたいという人は、家裁の離婚調停がおすすめです。
ADR(裁判外紛争解決手続)の利用が向かない人
■自分で主張・協議をおこなうのが困難
別席調停で相手の顔が見えない、声も聞こえないという状況だったとしても、相手と協議することの心理的負担が大きく、言いたいことが言えなくなってしまう人は弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士は、代理人として自分の代わりに弁護活動をおこなってくれますので、大きな安心感があります。
■とにかく安価に離婚協議がおこないたい人
経済的な問題で少しでも安価に離婚協議をおこないたい人は家裁の離婚調停がおすすめです。
ADRは、弁護士費用に比べると安価ですが、経済的に余裕がない方にとっては、毎回の話合いに費用がかかることが心理的ストレスにつながることがあり、申立料のみで利用できる家裁の離婚調停がおすすめです。
配信: 離婚弁護士ナビ