強盗致傷罪の法定刑は重い!執行猶予を獲得するためのポイントとは

強盗致傷罪の法定刑は重い!執行猶予を獲得するためのポイントとは

5、強盗致傷罪で逮捕されたときに弁護士に依頼するメリット

万が一強盗致傷罪で逮捕された場合、早急に弁護士に相談し依頼をすることが大切です。

逮捕されてしまうと身体が拘束されてしまうので、行動の自由が大幅に制限されますが、刑事弁護の実績が豊富な弁護士に弁護活動をしてもらうことで執行猶予の可能性が高まり、場合によっては不起訴処分も期待できます。以下、弁護士に依頼するメリットを確認していきましょう。

(1)取り調べへの対応についてアドバイスが得られる

強盗致傷罪で逮捕されると、を受けることもあります。

この取調べでどのような発言をしたかは、後の刑事裁判で証拠として提出される可能性がありますので、取調べでどのような対応をするかはとても重要です。

また、一人で連日のように続く取調べを受けることには不安を感じる人がほとんどですので、弁護士から適切なアドバイスをもらいながら取調べを受けていくことで、一人で不安を抱え込まないことが大切です。

(2)被害者との示談交渉を任せられる

逮捕されると身体を拘束され、外部と自由に連絡を取ることができません。

被害者に謝罪の気持ちを伝えたり示談を提案したりしたくても、自由に行うことができないのです。

そのため、弁護士に依頼し被害者との示談交渉を弁護士に代行してもらうことが大切です。

被害者の反応として、加害者から直接示談交渉を持ちかけられても、「顔も見たくない」となることが多くあります。

第三者である弁護士から示談交渉を持ちかけることで、被害者としても冷静な気持ちで交渉の提案を聞くことができ、示談成立の可能性は高まります。

(3)刑事裁判で有利な事情を主張・立証してもらえる

刑事裁判ではどのような事情を主張し立証するかが、起訴か不起訴かの判断や、刑罰の重さに直結します。

また、強盗致傷罪で起訴された場合、裁判員裁判の対象となります。

このため、裁判員裁判の対象とならない事件と比べても、刑事事件の実績が豊富な弁護士に依頼して、裁判で有利な事情を主張し立証してもらうことがさらに大切です。

強盗致傷罪に関するQ&A

Q1.強盗致傷罪が成立する条件

強盗致傷罪とはどのような犯罪なのでしょうか?犯罪が成立するためには、その犯罪が成立する条件を全て満たすことが必要です。

①「強盗」とは

強盗致傷罪が成立するには、まず「強盗」に該当することが必要です。

強盗罪は、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した場合に成立します(刑法236条1項)。

強盗致傷罪の主体となる「強盗」には、刑法236条1項の強盗罪だけでなく、事後強盗罪や昏睡強盗罪に着手した人も「強盗」に含まれます(刑法238条、239条)。

着手したと書いたように、未遂であっても強盗にあたる行為があれば、ここでいう強盗になってきます。

「強盗」が行う暴行または脅迫は、人の反抗を抑圧するに足りる程度のものであることが必要と考えられています。

②「負傷させた」とは

上記の「強盗」という主体が人を「負傷させた」場合に強盗致傷罪が成立します。

相手を負傷させるつもりがなく、結果的に相手を負傷させてしまったケースのように、傷害結果について故意がなくても強盗致傷罪が成立するので注意しましょう。

Q2.強盗致傷罪の刑罰ってどれくらい?

強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の有期懲役です(刑法第240条前段)。

強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役ですから(刑法236条1項)、人を負傷させたケースでは法定刑がかなり重くなります。

Q3.例外的に執行猶予が付くケース

強盗致傷罪の場合でも例外的に執行猶予がつくケースがあります。

それが、「法律上の減軽事由」または「裁判上の減軽事由」(酌量減軽)がある場合です。

減軽事由に該当し刑が減軽されると執行猶予の対象になる可能性が出てきます。

「法律上の減軽事由」とは、所定の事由に該当する場合には法律上その刑が減軽される、つまり刑が軽くなる場合です。法律上の減軽事由には、必ず減軽される場合(必要的減軽)と減軽されるかどうかが裁判所によって決められる場合(任意的減軽)の2種類があります。

必要的減軽に該当するのは、中止未遂(自分の意思で犯罪を途中でやめた場合。刑法43条)、心神耗弱(犯罪をしない意思をもって行動する能力が弱まっていた場合。刑法39条2項)、幇助(ほかの人の犯罪を手伝った場合。刑法62条1項、63条)です。任意的減軽に該当するのは、自首(刑法42条1項)、過剰防衛(刑法36条2項)などがあります。

これに対し、「裁判上の減軽事由」(酌量減軽)とは、法律上の減軽事由に該当するわけではないものの、犯罪の情状に酌量すべきものがあるときに裁判所がその刑を減軽するものです。

被害者との示談成立の有無、被害の程度、被告人の更生の可能性、犯行に至るまでの経緯や犯行の動機等を総合的に考慮し、情状に酌量すべき事情があるかどうかが判断されます。

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