トキメキ SPOT01 > 道の駅 おかべ
もう一度、トキメキたくて!
旅に出たのは野菜のまち・深谷
左/『NOLA 深谷のめぐみ食堂』の煮ぼうとう1580円。煮ぼうとうは、野菜と幅広麺を一緒に煮込んだ深谷の郷土食。カレー煮ぼうとう1880円や、夏季限定の冷たいサラダ煮ぼうとう1880円など、嶋田純喜シェフ考案の創作メニューもおすすめ。いずれもビュッフェ付きで提供 上右/名物は深谷ネギと渋沢栄一のみにあらず! とばかりに地場野菜への愛情とプライドを発信中の『道の駅 おかべ』。初夏~7月上旬はトウモロコシが主力品 下右/地元生産者が毎朝、農作物を納品する直売所。山積みのトウモロコシ「味来(みらい)」は、開店直後からみるみる売れていく大人気商品
埼玉県の深谷市にいた。野菜との倦怠期を打破するためである。積極的にベジタブルと関係を結ばなくなった最近の私である。ビタミンとやらが健康維持のために必要不可欠なことはわかっているので、たまにサラダを作ったりはしているが、それは毎度毎度レタスとドレッシングを適当に和えただけのテンションの低い一皿。ああ、私と野菜はマンネリに陥ってしまっている。かつては蜜月もあったはずなのに。
そんな折、深谷市が自らに異称を与えていることを知った。その名も「ベジタブルテーマパーク フカヤ」。なんだかテンションの上がる響きだ。野菜とデートするようにその「ベジタブルテーマパーク フカヤ」を旅すれば、もしかしたら愛の再発見が叶うかもしれない。いつの間にか開いてしまった野菜との切ない距離、それを縮めることができるかもしれない。そんな感傷に走り、深谷市へと足を運んだのである。
最初に訪れた『道の駅 おかべ』。そこでさっそく私は、「ベジタブルテーマパーク」の実力を思い知ることになる。待ち受けていたのは、糖度抜群トウモロコシ、超新食感モヤシ、強い緑に染まったブロッコリー、口当たり大爆発ミニトマトなどなど。
左/特産のネギを活かした『道の駅 おかべ』渾身の新メニュー、深谷ネギソフト480円。粉末ネギの風味と凍らせた刻みネギの辛みが、バニラと意外にも好相性 上右/地元の蔵元をはじめ豊富な地酒が勢揃い 下右/文字通り『道の駅 おかべ』の軒先を借りて、買ったばかりの野菜を使ってピクルスを作る筆者、ワクサカソウヘイさん
キャラ立ちした野菜たちが、エレクトリカル・ベジタブル・パレードといった感じで販売所に高密度で陳列されている。見れば「深谷ネギのソフトクリーム」なんていうクリティカルなアトラクションまで用意されているではないか。熱に浮かされ、珍しい色合いのズッキーニなどを鼻息荒く購入していく。野菜でこんなに気分が高揚したのは、いつぶりだろうか。
併設されたレストラン「NOLA(ノーラ)」でいただいたのは深谷産の野菜をふんだんに使った煮ぼうとう。それは本当に「ふんだん」で、麺に辿り着くまでに野菜の深い森をくぐり抜けていかなければならない。まるでジャングル・ベジタブル・クルーズ。店内には色彩豊かなサラダバーもあって、口を忙しくしながらその多面的なテイストを堪能する。ああ、野菜って、こんなに美味しかったんだな。
サービス精神と栄養価に満ちたグリーン・グリーティングを済ませると、私は持参した瓶にビネガーを注ぎ、そこに先ほど購入したズッキーニなどを漬け込んだ。簡易的なピクルスを作るためだ。今回は一泊二日の旅行。このピクルス瓶と共にデートをしながら「ベジタブルテーマパーク」を巡り、野菜との親密な情緒を取り戻してみたい。
ホテルにチェックインして、部屋の冷蔵庫に瓶を入れる。野菜はゆっくり酢に漬かり、私はゆっくり眠りに就く。見るのはきっと同じ緑黄色の夢。同室での秘め事、野菜と私はすでにただならぬ関係を織りなし始めている。
道の駅 おかべ
朝採れ地場野菜が並ぶ農作物直売所や、郷土料理を提供する地産地消レストラン、地域の特産品である200種以上の漬物や豊富な地酒が揃う物産センターも。深谷の食のワンダーランド
みちのえき おかべ
TEL.048-585-5001
住所/埼玉県深谷市岡688-1
営業時間/[農産物直売所]8:30~19:00 [ふるさと物産センター]8:00~19:00 [NOLA 深谷のめぐみ食堂]11:00~17:30(16:30LO)
定休日/無休
道の駅 おかべInstagram
配信: OZmall