<冬に向けて>非常用持ち出し袋の中身も、衣替えしましょう!

<冬に向けて>非常用持ち出し袋の中身も、衣替えしましょう!

今年(2023年)は残暑が厳しく、なかなか冬のことは想像しにくいかも知れません。しかし、冬は必ずきます。そして、寒い冬の季節に、避難が必要となるような災害が起きる可能性もゼロではありません。今年の冬はエルニーニョ現象の影響で暖冬傾向という予報が出されていますが、一時的な寒気の流入で例年はあまり雪の降らない地域で大雪になる可能性もあるとも予測されています。
本格的な冬を迎える前に、非常用持ち出し袋の中身も、再チェックしながら冬用に衣替えしておきましょう。

冬の非常用持ち出し袋は、「寒さ対策」「乾燥対策」「感染症防止対策」を考えて

寒い冬は、空気も乾燥しています。平時でも、風邪やインフルエンザなどの感染症も流行しやすい季節です。

大きな災害が発生した時には、体育館などの避難所に多くの人がつめかけることになります。多くの人が集まれば、衛生環境も最善に保つことは難しくなります。暖房が使えたとしても、広い場所ではすべての空間に暖かさがゆきわたらない可能性もありますし、多くの人が避難してきていれば暖房のない廊下などで避難生活を送らなければいけなくなるかもしれません。また、自治体などが備蓄している毛布なども、足りなくなるかも知れません。自治体によっては、ダンボールベッドなどが備蓄されていることもありますが、多くの場合は、床に毛布などを敷いて過ごすことになります。床から伝わる寒さは、身体の熱を奪います。「冬の避難所は、とても寒い」ことを、念頭において備えておく必要があります。

また、冬の乾燥で肌が痒くなってしまったり、唇や手の皮膚が割れてしまうと、長期にわたる避難生活で皮膚炎が悪化してしまったり、大きなストレスにもつながります。喉の乾燥は、風邪などに感染しやすくなったり、体調不良につながります。肌と喉を乾燥から守る備えも必要です。

感染症からは、「自分の身は自分で守る」備えをすることも大切です。たくさんの人が集まる場所では、「感染しない、させない」対策をしておかなければいけません。

冬の非常用持ち出し袋は、基本の備えに加えて、「寒さ対策」「乾燥対策」「感染症防止対策」を考えて、必要なものを加えておきましょう。

寒さを防ぐもの、暖をとるもの、トイレの対策も

冬の寒さは、体力を奪います。体力を温存するためにも安全のためにも、避難時には、肌の露出を控え、暖かな服装で向かうようにしましょう。もしも日中に災害が発生したとしても、できれば朝晩の寒さを想定した服装で避難しましょう。暖かいものを1枚着るよりも、肌触りの良いものの上に暖かいものと風を防ぐものを羽織るなど、重ね着をした方が、服の間にできる空気層で温かく感じます。ズボンの下には、スパッツやタイツなどを履いて。ダウンジャケットやニット帽、手袋なども身に付けて避難すると良いでしょう。

また、避難所での防寒具は、自分で用意していくことが基本です。避難所で毛布などが配布されることもありますが、必ずしも避難者全員にゆきわたるとは限りませんし、そもそも毛布だけでは寒い避難所で眠ることさえできないと考えておいた方がいいでしょう。冬用の非常用持ち出し袋には、キャンプ用品の寝袋とブランケットを備えておくのが理想的です。床から伝わる寒さは、身体の熱を奪います。寝袋に加えて、テントで使う銀マットや、折りたためるエアマット、ヨガマットなどのいずれかを備えておくとベストです。マットを敷いたところで、ブランケットに包まって寝袋に入る使い方をします。

カイロも、多めに備えておきましょう。貼るタイプと貼らないタイプのカイロがありますが、それぞれのタイプを備えておくと良いかも知れません。ただし、貼るタイプのカイロは、ずっと同じ場所に貼ったままにすると、低温火傷を起こすことがあります。使用する際には、同じ場所に貼りっぱなしにしないように、注意しましょう。
また、寒冷地では、カセットコンロ用のカセットボンベで使える、ポータブルストーブを個人で備えて避難所に持参することを推奨している自治体もあります。

他に、厚手の靴下と上履きも、冬の備えの必須です。避難所となる体育館などの床は、とても冷えます。裸足で歩くことはもちろんできませんし、体育館などに備えられているスリッパでも足の裏からの冷えは避けられません。足から体温を奪われていくこともあります。温かく脱げにくい上履きを備えておきましょう。

寒さの中で、トイレの回数も増えます。自分自身に起こる生理現象は、他の人も同様です。避難所のトイレも混み合います。携帯用トイレを、多めに備えておきましょう。15回分程度、非常用持ち出し袋に備えておけると、避難所でも焦らずにすむかもしれません。

関連記事: