<冬に向けて>非常用持ち出し袋の中身も、衣替えしましょう!

<冬に向けて>非常用持ち出し袋の中身も、衣替えしましょう!

「濡れないこと」も重要

災害は、どんな天候の時に発生するかわかりません。冬の冷たい雨が降るなか、大きな地震が発生し自宅が損壊するなどして、避難しなければならない事態になることも考えられます。風がなくても傘をさして避難することはできません。避難するときには、両手をあけることが鉄則です。

雨の中を避難するときには、雨ガッパ(レインコート)を着用しましょう。雨ガッパにも様々なタイプのものがありますが、災害時にはズボンと上着に分かれている、上下別々で着用するタイプが適しています。
ポンチョタイプなどは、足下や袖口などから濡れてくる可能性があるためです。

身体や衣服が濡れると体温が奪われ、最悪の場合、死にいたる「低体温症」になるリスクが高まります。低体温症とは、身体の奥の温度(深部体温)が35度以下になった状態のことを言います。人の身体は体温が下がると、筋肉を震わせて熱をつくろうとするようになっていますが、低体温症は気づかないうちに進行する場合もあります。低体温症になると、筋肉が硬直したり、脳の活動が低下します。さらに、脈拍や呼吸が減少し、血圧の低下なども引き起こして、昏睡状態になります。
南海トラフ巨大地震の被害想定では、冬の深夜に最も被害が大きくなると想定されていますが、低体温症のリスクが高まることも一因でしょう。
寒い環境の中に長時間いることも低体温症を引き起こすことにつながりますが、濡れることを防ぐこともとても大切なのです。

避難するときに自分自身が濡れないことはもちろんですが、荷物も濡らさないようにしましょう。
非常用持ち出し袋に入れる衣類などは、小分けしてビニール袋に入れた上で、リュックサックの中にもゴミ袋などの大きめな袋を入れて、その中に荷物を詰めるようにします。最後にまた、袋の口を縛ってリュックサックの蓋をしましょう。二重で水濡れ対策をしておくとよいでしょう。

注意と配慮が必要なエマージェンシーシートと雨カッパ

風や雨を通さず、体温の低下を防ぐことのできる雨カッパ。エマージェンシーシートと言われるアルミシートも、雨カッパのように移動時には使えませんが、避難所などで包まっていることで、体温の低下を防ぐことができます。

しかし、雨ガッパもエマージェンシーシートも、使用するときには注意が必要です。寒い時には雨ガッパを着て寝ると身体を保温することができますが、雨ガッパもエマージェンシーシートも、汗をかいても水分を蒸発させることができません。雨を通さないからこそ、汗を逃すことができないのです。
そのため、汗で服が濡れてしまい、逆に体温を下げてしまうことがあります。
就寝時にエマージェンシーシートや雨ガッパを使う際は、暑くなりすぎないように気をつけましょう。

また、薄いアルミシートでできているエマージェンシーシートは、擦れ合うときにカサカサと音が鳴ってしまうことが難点です。避難所のようなストレスの多い環境の元では、こうした音も過度に気になってしまうことがあります。エマージェンシーシートの音が原因で、周りの人とのトラブルに発展してしまうこともあります。これからエマージェンシーシートを購入しようと考えている方は、音が出にくいタイプを探してみましょう。

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