固定残業代について間違った認識をしている企業もある
固定残業制は、あらかじめ決められた一定時間分を超える残業について、従業員に残業代を支払わなくてもいい仕組みではありません。
月40時間分で7万5000円の固定残業代を支給としている場合、50時間の残業が発生したときは、10時間分の残業代(1万8750円)を追加で支給しなければなりません。
固定残業の時間を超えた残業分については、残業代を一切支払わなくてもいいと考えている企業もありますが、それは間違いです。過去にそういった認識をしている企業が多くあり、厚生労働省などが注意喚起を促したことから、固定残業制=ブラック企業というイメージも少なくないようです。
まとめ
固定残業制が導入されている背景には、企業側の給与計算の簡略化や従業員の業務効率の向上などがあると考えられます。
適法であるため基本的には問題はありませんが、中には固定残業代を含めた賃金の適切な表示を行っていない企業や、固定残業を超えた時間分について残業代を支給していない企業もあります。
固定残業制は、労使双方にとってメリットもあればデメリットもあります。いずれにせよ、固定残業代が記載されている求人には一定の注意が必要でしょう。
出典
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク 固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。
執筆者:柘植輝
行政書士
配信: ファイナンシャルフィールド
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