「エアコンの暖房」と「石油ファンヒーター」1ヶ月の費用はどれくらい違う? 部屋が広いと「エアコン」のほうが高くなる? メリット・デメリットも比較

エアコンの暖房と石油ファンヒーターでは、電気代や灯油代のランニングコスト(運転、維持費用)が安いのはどちらなのでしょうか。また、暖房機能にはどのような違いがあるのでしょうか。本記事では、エアコンと石油ファンヒーターの1ヶ月のランニングコストを比較するとともに、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

エアコンと石油ファンヒーターの1ヶ月の費用

エアコンと石油ファンヒーターの1ヶ月の費用について、以下の方法で計算しました。

 

まず、経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023」によると、冷房能力2.5kW(7~10畳)のエアコンの平均消費電力は、575Wです。

 

石油ファンヒーターに関しては、木造7畳、コンクリート9畳までが使用目安の商品として、ダイニチ工業株式会社のFW-2523NEと、株式会社コロナのFH-CP25Yのカタログ値を計算に用います。

 

FW-2523NEの消費燃料は1時間当たり0.066~0.243L、消費電力は49W~82W、FH-CP25Yは燃料消費が0.064~0.243L、消費電力は8.5~14Wです。1時間当たりの消費燃料や消費電力は、最小値と最大値の中間値としました。

 

1日8時間動かしたと仮定し、電気代は31円/kWh、灯油代は115.8円/L(ともに11月29日時点)で1ヶ月当たりの消費電力を計算すると図表1のようになります。

 

図表1

 

 

「経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2023年版」「ダイニチ工業株式会社 NE TYPE【2023年モデル】」「株式会社コロナ CPタイプ」から筆者作成

 

計算の結果、石油ファンヒーターのほうが1ヶ月の費用は若干高くなりました。ただし、機種や使用時間、部屋の大きさなどによっては、エアコンのほうが費用は高くなる可能性も考えられます。また、電気代も灯油代の値動きによっても変わってくるでしょう。

 

エアコンと石油ファンヒーターのメリット・デメリット

エアコンと石油ファンヒーターには、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

 

エアコンは灯油を使わず、タイプによっては暖房だけでなく冷房や除湿もできるのがメリットです。一方で、エアコンは一般的に石油ファンヒーターよりも販売価格が高めで、暖まるまでに時間がかかることがデメリットでしょう。

 

石油ファンヒーターは、エアコンと比べて販売価格が安めで、暖房能力が高めであることがメリットです。一方で、灯油を燃やすため定期的な換気が必要で、給油の手間がかかることがデメリットといえます。

 

それぞれに一長一短があることから両者を併用することも1つのアイデアです。例えば、使い始めはエアコンと石油ファンヒーターを同時に動かして、暖房能力が高めの石油ファンヒーターで素早く暖め、その後はエアコンだけを動かし続けるのも1つの策です。また、エアコンだけでは寒いと感じる場所にだけ、局所的に石油ファンヒーターを使うというアイデアもあるでしょう。

 

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