「生活保護」って実家に連絡は行きますか? 絶縁状態なので頼りたくないのですが、扶養照会なしで申請したいです…

扶養照会とは、生活保護の申請者に対する支援の可否を親などに尋ねることです。この仕組みがあるため、実家などに連絡されることを恐れて申し込めない人も見受けられます。例えば、実家の親とは絶縁状態なので頼りたくないというケースもあるでしょう。本記事では生活保護の申請に着目し、このような場合に扶養照会なしで受給できるのか解説します。

最初に受給要件の把握が必要

生活保護の申請を検討するなら、前提知識として受給要件を知っておく必要があります。以下に挙げる4点をすべて満たさなければなりません。

 

・収入面

 

収入が最低限度の生活費を下回っていることが不可欠です。最低限度に該当する金額は、厚生労働大臣が定めた基準により、居住地の等級などを考慮して算出されます。

 

・能力面

 

病気などの影響で働けない状況にあることも受給要件の1つです。労働が可能な能力を持っているなら、それを使って収入を得ることが求められます。

 

・資産面

 

生きていくうえで必須とはいえない資産があるなら、保有しておかず生活費に充てなければなりません。そのような自動車や建物などは、特別な事情がない限り売却することになります。

 

・制度面

 

生活保護は国民のセーフティネットなので、それ以外に頼れる制度が存在しないことも重要な受給要件です。別の制度で支援を受けられる見込みがあるなら、先にそちらの利用を検討するように促されます。

 

必ず扶養照会は行われるのか?

前記のような必須の受給要件ではありませんが、扶養義務者が申請者を援助できないことも確認されます。生活保護関連の実務を行っているのは、各自治体に設けられている福祉事務所です。そこの担当職員が扶養照会をして、仕送りなどの可否について尋ねる仕組みとなっています。民法で扶養義務があると定められているのは、3親等までの親族です。したがって、申請者が1人暮らしをしているなら、一般的には実家にいる両親などが扶養照会を受けます。

 

ただし、扶養照会は実施されるとは限らず、事情によっては不要と判断される場合もあります。親から虐待を受けた過去があり、連絡によって再発のリスクが懸念されるケースなどです。サポートを期待できる扶養義務者にしか扶養照会は行われません。

 

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