子ども3人以上でも「大学無償化」は難しい!? 3人未満世帯からも「不公平」「わが子は奨学金なのに」などの声が上がる理由とは

政府が進めている「異次元の少子化対策」ですが、大学無償化に関する新たな案が公表されました。なんと子どもが3人以上いる世帯については、所得制限なしで大学の授業料が無償化されるそうなのです。子どもが無償で高等教育が受けられるのであれば、多くの家庭が抱えているであろう「教育費の悩み」は解消されますよね。ただ、対象となるのは子ども3人以上の世帯ということで、子どもが3人未満の世帯からすれば不公平感が拭えないところです。
 
本記事では、子ども3人以上世帯の大学無償化についての最新情報と、子ども3人未満の世帯から上がっている声を紹介します。

子ども3人以上世帯の大学無償化の概要

政府は2023年12月11日に「こども未来戦略会議」を開催し、こども未来戦略方針の具体化に向けた検討について調整を進めました。次の少子化対策は高等教育費支援の大幅拡充で、所得に関係なく子どもを3人以上育てる世帯を対象として、大学の入学金や授業料を2025年度より、国公立で入学金約28万円と年間の授業料約54万円、私立で入学金約26万円と年間の授業料約70万円を支援上限として無償化するとされています。

私立大学に4年間通った場合、最大で約306万円もの教育費が0円で済むという恩恵を受けられることになります。子ども3人以上の家庭には大きな朗報でしょう。

 

【落とし穴】対象は3人扶養の場合のみ

ただし、公表された具体的な案としてわかったのは、「子どもが3人以上いれば全員無償化」だという甘い話ではないということでした。無償化の対象となるのは、「扶養されている子どもが3人以上の世帯」であり、単に子どもが3人以上いるだけではダメなのです。

 

例えば、第1子が大学1年生、第2子が中学3年生、第3子が小学6年生の家庭の場合、第1子の大学費用4年分については無償化の対象となりますが、第2子が大学1年生になる時に第1子が大学を卒業して働き出し、扶養から外れているのであれば、第2子・第3子の大学費用は無償化の対象外となります。

 

つまり、子どもが3人いる世帯において、3人ともが4年間フルで大学無償化の対象になるためには、3つ子が同年進学または3人が同学年(高校卒業後2年以内)でなければならないというわけです。

 

6年制大学・短大・専門学校も対象

ちなみに、無償化の対象になるのは4年制大学だけではありません。医学部や薬学部などの6年制大学、短期大学、専門学校も対象になります。大学院は無償化対象外ですが、第1子が大学院に在学して親の扶養内であれば、第2子や第3子が無償化の対象になる可能性があります。

 

子ども3人未満の世帯から上がっている声

子どもが3人いたとしても満足に大学無償化の恩恵を受けられるわけではありませんが、子どもが1人または2人の家庭は、その恩恵にかすることもできません。子どもを3人以上育てる大変さは育児経験者であればわかるものの、それでも不公平感が拭えないのが正直な気持ちなのではないでしょうか。SNSなどネット上では以下のような意見が出ているようです。

●なぜすべての子どもではないのか

●1人目2人目を対象にすれば3人産もうという人が出てくるのに

●学力に関係なく選び放題は不公平。無償化は国公立だけでよい

●多子世帯のために税金を払って、わが子には奨学金を借りさせるのか

●3人目から無償化にすればよい

など

 

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