上司が年金手帳を持っていると言っていました。新卒の私は持っていないのですが、問い合わせたほうがいいのでしょうか?

年金は老後の生活を支えてくれる大切なものです。自分自身で年金加入記録を把握しておくようにしましょう。そこで、重要になってくるのが、年金加入記録を管理するために必要となる「基礎年金番号」の存在です。この番号は年金手帳に記載されています。
 
それでは、年金手帳は誰でももらえるものなのでしょうか。新卒で年金手帳を持っていない人を例に挙げて、解説します。

基礎年金番号通知書とは?

基礎年金番号は、年金加入記録を管理するための番号です。4桁と6桁の数字を組み合わせた10桁の数字で、原則1人つき1つ発行されていています。これまで、この基礎年金番号は年金手帳に記されていました。

 

しかし、令和4年4月以降に、被保険者資格者となって初めて年金制度に加入した人は、年金手帳ではなく「基礎年金番号通知書」が発行されるようになったのです。

 

そのため、令和4年4月以前に年金制度に加入した上司は年金手帳を持っていて、令和4年4月以降に年金制度に加入した新卒者が年金手帳を持っていなくても問題ありません。基礎年金番号通知書には、基礎年金番号に加えて、氏名、生年月日、発行日などが記されています。

 

もし、基礎年金番号通知書が手元になければ「基礎年金番号通知書再交付申請書」を提出しましょう。厚生年金保険の加入者の場合、提出先は会社の所在地を管轄する年金事務所になります。ただし、原則、会社を通して再発行の手続きを行います。

 

ちなみに、年金手帳を持っている人は基礎年金番号通知書に切り替わったからといって、年金手帳を破棄してもよいわけではありません。これまで通り、年金手帳を大切に保管しましょう。

 

万が一、年金手帳を紛失した場合も、会社を通して基礎年金番号通知書再交付申請書の届け出が必要になります。ただし、このときに再交付されるのは、年金手帳ではなく基礎年金番号通知書になります。

 

基礎年金番号の注意点とは?

基礎年金番号通知書に記載してある基礎年金番号を確認して、99で始まる基礎年金番号だった場合は要注意です。それは、基礎年金番号を複数持っている可能性があるからです。

 

99で始まる番号は、正規の基礎年金番号ではなく、仮基礎年金番号であるという目印です。仮基礎年金番号となった理由としては、「事業主が年金の加入届に基礎年金番号を記入していなかったこと」などが挙げられます。

 

複数基礎年金を持っている場合、支払う必要のない保険料の支払案内などのトラブルが起こる可能性があります。仮基礎年金番号の人に対しては、日本年金機構から「基礎年金番号確認のお願い」が届くため、内容を確認して返送するようにしましょう。もし届いていない場合は、自宅近くの年金事務所に相談することをおすすめします。

 

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