オーガニックと有機は同じ意味で使われます
オーガニック、有機商品を目にする機会が以前より多くなってきたかと思います。オーガニックは有機と同じ意味として使われ、有毒な農薬や化学肥料、遺伝子組み換え等を使用せず、環境や人体にやさしい方法で生産することを指します。
有機JASの認定基準
今回は食品についてとりあげますが、食品のオーガニックの認証制度は農作物だけでなく、畜産物、飼料、加工食品にもあります。日本では、農林水産省が管轄となる有機JAS認定の上では以下等が認定基準になります。
有機畜産物の場合
・ 飼料は主に有機飼料を与えること
・ 野外への放牧などストレスを与えずに飼育すること
・ 抗生物質等を病気の予防目的で使用しないこと
・ 遺伝子組換え技術を使用しないこと
有機農作物の場合
・ 堆肥等による土作りを行い、播種・植付け前2年以上及び栽培中に(多年生作物の場合は収穫前3年以上)原則として化学的肥料及び農薬は使用しないこと
・ 遺伝子組換え種苗は使用しないこと
有機加工食品の場合
・ 化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用は極力避けること
・ 原材料は、水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物、有機畜産物又は有機加工食品であること
・ 薬剤により汚染されないよう管理された工場で製造を行うこと
・ 遺伝子組換え技術を使用しないこと
・栽培によって環境を破壊しない
・労働条件を厳守している
・環境・衛生管理の整備
・上記に関する管理プログラムの制定とその実施
・上記に付帯する全ての事項に対する第三認証機関による検査と認証及び年次更新
オーガニックでも農薬使用できる
認定基準の中には、原則として化学的肥料及び農薬は使用しないこと、とあります。化学合成農薬は使用できませんが、JAS法で定めたガイドラインでは、20種類以上の農薬が使用できることになっています。
つまり、オーガニックとは必ずしも農薬不使用ではないのです。
無農薬の意味とは?
ちなみに、無農薬、という言葉は、作物から農薬が検出されない、ということではありません。
例えば、栽培前の段階から土壌に農薬が残っていると、作物から農薬が検出されることもあります。
また近隣の田畑で使用している農薬が入り込む場合もあります。つまり栽培期間中に農薬を使用していなかったのに、農薬が検出されてしまうと、無農薬とはいえないということになります。
そういった背景があり、現在では、栽培において農薬を使用していない場合は、「農薬:栽培期間中不使用」と表記し、無農薬と表示することは禁止されております。
本当にオーガニックなのか?
有機、オーガニックのJAS認定基準上では、基準を満たしていない商品を有機、オーガニック商品として販売することは認められていませんが、広告上で有機栽培、無農薬と記載することに制限が設けられているわけではありません。
そのためにも、商品表示をしっかり見ることが大事です。
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