3、利息制限法で定める金利の上限を表で確認
金銭貸借契約につき1つひとつ適法性を確認していくとなると、利息制限法の内容が一目で分かるものが欲しいところです。ここで一旦、上限金利を表にまとめてみましょう。
(1)契約金利の上限
利息制限法第1条で定められた契約金利の上限を整理すると、下の表の通りとなります。
元本に応じて段階的に上限が引き下げられており、表の「元本の額」には利息とみなされる各種手数料等も含まれる点、ここで改めて注意しましょう。
元本の額
金利の上限
10万円未満
年20%
10万円以上
100万円未満
年18%
100万円以上
年15%
(2)遅延損害金の年利
遅延損害金の利率は、当事者間の合意の有無で変わります。
契約上の合意がなければ民法第404条2項・第404条3項の「法定金利」が適用され、合意があれば利息制限法第4条もしくは第7条1項の規定が適用されます(表参照)。
ここまでの解説を整理しつつ、表で遅延損害金の限度を確認してみましょう。
元本の額
契約上の合意なし
契約上の合意あり
非営業的取引
営業的取引
10万円以内
一律3%※
年29.2%以内
20%以内
10万円以上
100万円未満
年26.28%以内
100万円以上
年21.9%以内
※先の民法大改正により、2020年4月1日以降の取引に適用される利率です。変動制であり、今後3年おきに見直される予定です。
4、利息制限法に基づく返済利息の計算式
法律に基づく利息の最大額は、個別の融資額から計算しなくてはなりません。
個人消費者向けの商品(クレジットカード・住宅ローン等)は残債方式で契約するのが一般的で、返済する度に下記の式を使って利息を割り出します。
残債方式では以下の通りです。
前回返済後の元金(借入残高とも)×年利÷その年の日数×前回返済からの経過日数
なお、契約上は決済手数料として利息を受領する場合は、下記のアドオン方式を使います。融資額・年利共に同一の契約で、かつ1回払いを選択するのであれば、法律上の利息は残債方式と同額です。
アドオン方式では以下の通りです。
借入当初の元金(借入残高とも)×年利×貸出期間
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