「骨肉腫の痛みにはどんな特徴」があるかご存知ですか?症状も解説!【医師監修】

「骨肉腫の痛みにはどんな特徴」があるかご存知ですか?症状も解説!【医師監修】

骨肉腫の特徴的な痛みについて

骨肉腫の特徴的な症状のひとつは、発生部位における痛みと腫れです。骨肉腫は、60〜70%の割合で大腿骨やすねの骨、特に膝関節に近い部分で発生します。次に多い発生部位は、肩に近い上腕骨です。痛みは最初、運動時や体重をかけたときに感じる程度です。この段階では、痛みは比較的軽微であり、運動による通常の疲れや損傷と間違えられることもあります。
骨肉腫が進行するにつれて、痛みは安静時にも感じるようになり、夜間にも痛むことがあります。この痛みは徐々に強くなり、持続的な性質を持つことが多いです。
肉腫が発生した部位は腫れることがあり、痛みとともに徐々に腫れが強くなることが一般的です。腫れによって周囲の組織に圧迫を及ぼし、さらに痛みを増加させる可能性があります。これらの症状があらわれた場合は、速やかに医療機関での診断を受けることが重要です。

骨肉腫の特徴的な症状

骨肉腫の特徴的な症状について、以下で詳しく解説します。

腫れ、痛み

骨肉腫は、初期段階では症状が明らかにならないことがありますが、進行するにつれて、腫瘍の発生場所で特徴的な症状があらわれます。最初は、運動時にのみ痛みを感じることが多く、日常活動による一時的な不快感と誤解されることがあります。病気が進行するにつれ、運動していないときでも痛みが生じ、夜間にも痛むことがあります。痛みは徐々に悪化し、例えば足を引きずって歩くなど、歩行に影響を与えるほどになることもあります。

骨折

骨肉腫は骨を弱くし、ときには非常に脆くなるため、軽微なけがや衝撃で骨折を引き起こすことがあります。骨肉腫の症状には、痛みや腫れが含まれることが多いですが、これらは他の一般的な疾患と間違えられることもあります。重要なのは、骨肉腫が疑われる場合、早期に医療機関で診断を受けることです。特に、骨肉腫によって引き起こされる骨折は、治療を複雑にし、予後に影響を与える可能性があります。正式な診断が下されるまでの間、大腿骨や脛骨などの骨への負担を避けるために安静を保つことが推奨されます。また、日常生活での松葉杖の使用など、骨折を防ぐための対策が重要です。

アルカリフォスファターゼ(ALP)の上昇

ALPは、人体内に広く分布している酵素で、特に肝臓、胆道、骨に多く存在します。ALPの血液検査は、これらの組織に関連した病態を診断するのに役立ちます。例えば、肝臓疾患、胆道障害、特定の骨の病気などでALPの値が上昇することがあります。骨肉腫の場合、ALPのレベルが重要な診断指標の1つとなります。骨肉腫は骨を破壊し、新しい骨組織の形成を促すため、これがALP値の上昇につながることがあります。したがって、骨肉腫の診断や治療過程において、ALPの値は非常に重要です。

肺に転移

骨肉腫における肺転移は、その進行と管理において非常に重要な側面です。骨肉腫の患者の約10~20%は、診断時にすでに肺への転移があるとされています。初期段階では、肺転移は多くの場合無症状で、その存在が認識されにくいことがあります。しかし、転移が進行すると、呼吸障害の症状があらわれることがあります。

呼吸障害

肺転移が進行すると、さまざまな呼吸障害があらわれることがあります。これには咳、息切れ、胸痛、血痰(血液を含む痰)などの症状が含まれます。これらの症状は、転移したがん細胞が肺組織を侵害し、肺の機能を低下させることによって引き起こされます。骨肉腫における主な死亡原因は、肺転移による呼吸不全です。これは、転移した癌細胞が肺の機能を著しく妨げるために起こります。早期発見と治療が重要であり、定期的な画像診断により肺転移の有無を確認することが、骨肉腫の治療戦略の重要な部分です。

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