「骨肉腫の痛みにはどんな特徴」があるかご存知ですか?症状も解説!【医師監修】

「骨肉腫の痛みにはどんな特徴」があるかご存知ですか?症状も解説!【医師監修】

骨肉腫の治療方法

骨肉腫の治療方法には、どのようなものがあるのでしょうか?以下でそれぞれ詳しく解説します。

薬物療法

薬物療法は、再発率を大幅に下げ、治癒率を向上させることが可能になっており、通常2~3ヶ月の薬物療法の後に手術をします。手術で腫瘍の広範囲切除と骨再建をし、その後さらに数ヶ月間の薬物療法を追加します。このアプローチにより、腫瘍を縮小し、手術の成功率を高められます。骨肉腫治療に使われる主な薬剤には、メトトレキサート、シスプラチン、アドリアマイシンがあります。これらは、がん細胞の成長を抑制したり、がん細胞を直接破壊したりする効果が期待されています。また、イホスファミドを加えることもあります。これらの薬剤は、欧米でも日本でも同様に用いられています。
薬物療法は効果的とされていますが、一方で副作用も報告されており、吐き気、嘔吐、全身のだるさ、口内炎、白血球減少による感染症リスクの増加などが含まれます。シスプラチンは腎障害や聴力障害を、アドリアマイシンは心臓障害を引き起こすリスクがあるため、定期的な検査が必要です。

放射線治療

腫瘍の大きさや位置によっては、広範囲の腫瘍切除をすることが困難な場合があり、その場合、放射線治療は手術の補助として使用されることがあります。これには、手術前に腫瘍のサイズを縮小させる目的で実施される場合や、手術後に残存した腫瘍細胞を排除するために使用される場合が含まれます。特に、脊椎や骨盤などの難しい部位に発生した骨肉腫の場合、広範囲切除が困難であるため、粒子線治療が選択されることがあります。粒子線治療は、陽子線や重粒子線(炭素イオン線など)を使用し、高い精度で腫瘍に放射線を照射する治療法です。これにより、周囲の正常組織への影響を最小限に抑えられます。

支持療法

がんの治療において、支持療法は非常に重要な役割を果たします。がんそのものや、その治療に伴うさまざまな身体的、心理的、社会的な問題に対処することを目的としています。支持療法は、がんの診断から治療、そして回復の過程全体にわたって提供されます。支持療法の主な目的は以下の通りです。

症状の管理:がんやその治療によって生じる痛み、吐き気、疲労、食欲不振などの症状を軽減します。
副作用の軽減:化学療法、放射線療法、外科手術などがん治療に伴う副作用や合併症を予防し、管理します。
心理的サポート:がん診断や治療に伴う不安、ストレス、抑うつなどの心理的問題に対応します。
社会的サポート:がん患者とその家族が経験する社会的な問題、例えば職場や学校での対応、将来に対する不安などをサポートします。

再発した時の治療法

がんの再発治療は、再発の場所、以前実施された治療、患者の全体的な健康状態など、多くの要素に基づいて個別に決定されます。治療の選択は、がんの種類、再発の程度、患者の個々の状況に密接に関連しています。以下で詳しく解説します。

肺への局所的な転移:肺に限定された少数の転移巣がある場合、外科的切除術が基本的な治療法となります。このアプローチは、転移巣を物理的に除去することにより、がんの拡散を防ぐことを目指します。
肺への多数の転移やその他の部位への再発:肺への広範囲での転移や他の部位への再発がある場合は、薬物療法が主に実施されます。これには、化学療法や標的療法、免疫療法などが含まれ、再発したがん細胞を制御し、症状を軽減することを目的としています。
再発時期と治療:治療後すぐに再発する場合は、治療がより困難になることがあります。これは、がん細胞が初期の治療に耐性を持っている可能性があるためです。一方で、1年から2年後など、比較的長い時間が経過した後の再発の場合は、治療に対する反応がよく、治癒する可能性もあります。

骨肉腫の検査方法

骨肉腫の検査方法には、どのようなものがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

レントゲン検査:レントゲンは、骨肉腫によって引き起こされる特徴的な骨破壊(虫食い状の破壊)や新たな骨の形成を検出するのに有用とされています。虫食い状や地図状、浸透状の骨変化は、骨肉腫や他の骨腫瘍を示唆する所見です。
CT検査:CTは、骨破壊の詳細な評価を提供し、レントゲン画像では見えにくい微妙な変化を検出します。また、骨肉腫と診断された場合、全身のCT検査で肺転移やリンパ節転移の有無を調べます。
MRI検査:MRIは、腫瘍の性状やその周囲の組織との関係を詳細に評価します。これにより、腫瘍の広がりや手術計画に重要な情報が得られます。
骨シンチグラフィまたはPET検査:骨の代謝や破壊の状態を評価し、腫瘍活動の広がりを調べます。PET検査は、より詳細な代謝情報を提供し、骨シンチグラフィに取って代わる傾向にあります。
血液検査:骨肉腫ではALPのレベルが高くなることがありますが、これは骨の代謝亢進によるもので、必ずしも骨肉腫を意味するわけではありません。
生検:最終的な診断を確定するためには、生検が必要です。これには針生検と切開生検の2つの方法がありますが、骨肉腫の場合、十分な組織を採取できる切開生検が推奨されます。

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