「骨肉腫の痛みにはどんな特徴」があるかご存知ですか?症状も解説!【医師監修】

「骨肉腫の痛みにはどんな特徴」があるかご存知ですか?症状も解説!【医師監修】

骨肉腫を知っていますか。本記事では、骨肉腫の痛みや特徴について、下記内容を中心に徹底解説していきます。

・骨肉腫とは

・骨肉腫の特徴的な痛み

・骨肉腫の特徴的な症状

骨肉腫の痛みや特徴について理解するためにも参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
甲斐沼 孟(TOTO関西支社健康管理室産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。2023年、TOTO関西支社健康管理室産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

そもそも骨肉腫とは

骨肉腫は、骨に発生する悪性腫瘍の一種です。これは骨の中で最も頻度が高いがんの1つであり、特に10代の思春期の若者、つまり中学生や高校生くらいの年齢に多く発生することが知られています。しかし、約30%は40歳以上の大人にも見られます。
年間約200人が骨肉腫にかかるとされ、日本国内ではがんの中でも比較的まれな病気に分類されます。骨肉腫の約60%は膝の上下部分、具体的には大腿骨と脛骨の膝関節に近い部分に発生します。次いで発生しやすい部位は、上腕骨の肩に近い部分や大腿骨の股関節に近い部分など、骨が速く成長する骨端線(骨幹端部)です。
この種の腫瘍は、成長するにつれて発生した骨を破壊しますが、骨肉腫自体が骨を作る能力を持つのが特徴です。また、血液の流れを通じて転移することが多く、骨肉腫の最も一般的な転移先は肺です。ただ、診断時に肺転移が見られる場合でも、術前の薬物療法や肺の転移巣の手術により、20〜30%の症例で治癒が期待されます。
肺の次に多い転移先は、同じ骨内や他の骨です。しかし、他の骨への遠隔転移や広範囲にわたる肺転移がある場合は、治療は困難とされています。

骨肉腫の原因

骨肉腫の発症原因は複雑で多岐にわたりますが、主要な要因は遺伝子変異です。以下で詳しく解説します。

遺伝的要因:
Li-Fraumeni症候群:がん抑制遺伝子であるp53遺伝子(TP53遺伝子)の変異によって引き起こされる疾患です。この遺伝子変異は、骨肉腫を含むさまざまながんの発症リスクを高めます。
RB1遺伝子の変異:網膜芽細胞腫の原因となるRB1遺伝子の変異も、骨肉腫の発症と関連があります。網膜芽細胞腫は主に乳幼児に発症するがんですが、それに罹患した方は、骨肉腫のリスクが高いとされています。

放射線治療・化学療法の影響:
放射線治療や化学療法(抗がん剤)を受けた方は、遺伝子異常がなくても骨肉腫を含む2次がんを発症するリスクが高まるとされています。特に放射線治療の量が多い場合、リスクはさらに高まります。照射後肉腫として、放射線治療をした箇所から骨肉腫が発生することもあります。

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