「子宮肉腫の生存率」はご存知ですか?症状や診断方法も解説!【医師監修】

「子宮肉腫の生存率」はご存知ですか?症状や診断方法も解説!【医師監修】

子宮肉腫は、珍しい病気で希少がんの一つです。特徴的な症状があるわけではなく、下腹部の痛みや違和感・腹部膨満感・出血から疑われることが多いです。

子宮筋腫として手術をしたものの、手術後の病理検査にて「子宮肉腫」と診断をされ、追加治療を勧められたというケースもあります。治療の難しいといわれている病気ですが、診断されたらどのような治療が行われているのでしょうか。

他の子宮関連のがんとの治療方法の違いや診断方法と合わせて、子宮肉腫のステージごとの生存率・余命・罹患率についてなどを解説します。子宮肉腫について知りたい方は参考にしてみてください。

監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

子宮肉腫の症状

子宮肉腫とは、筋肉や臓器のすぐ下にある結合組織にみられる肉腫で子宮体部にできることが多いです。子宮肉腫はどのような症状が出るのかご存知でしょうか。まずはよく見られる症状について解説します。

下腹部痛

子宮肉腫の症状として、お腹が張って痛いという下腹部痛・腹部膨満感が起こることがあります。これは腫瘍が炎症を起こしたり、大きくなってきて他の臓器を圧迫することで起こると考えられています。
子宮筋腫と診断されて、経過観察をしていた腫瘤が閉経したらどんどん大きくなってきた場合には注意が必要です。

出血

不正出血は子宮肉腫の自覚症状として多い症状で、月経量が増える月経過多・月経が長引く月経異常が起こることがあります。
しかし出血は他の病気でも現れる症状であるため、不正出血があったり、月経量が増えたりしても必ずしも子宮肉腫であるとはいえません。また、子宮肉腫だからといって必ず出血があるわけでもなく、無症状の人もいます。

子宮肉腫の生存率

希少がんでかかったことがある人も他のがんと比べて少ない子宮肉腫ですが、生存率はどのくらいなのでしょうか。子宮平滑筋肉腫は浸潤度によってI期~IV期の4つに分類されています。
がんの進行度によっての生存率を確認していきましょう。

I期の子宮肉腫

子宮平滑筋肉腫はまれな疾患で、未だ難しい病気とされています。I期は腫瘍にとどまっているもので、サイズが5cm以下かそれ以上かによって2つに分けられています。
I期の生存率は、半分の人が生きている50%生存期間で8年です。

II期の子宮肉腫

II期は腫瘍が骨盤腔まで浸潤してきているもので、卵巣・卵管までのものとそれ以上のもので2つに分けられます。II期の50%生存期間は4年です。

III期の子宮肉腫

III期は腫瘍が骨盤外まで浸潤しているものです。
これは広がり具合によって3つに分けられていて、1部位・2部位以上・骨盤リンパ節か傍大動脈リンパ節転移のあるもので分けられています。III期の50%生存期間は2年です。

IV期の子宮肉腫

IV期は2つあり、膀胱粘膜か直腸粘膜に浸潤のあるものと遠隔転移のあるものに分けられています。IV期の50%生存期間は1年です。

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