「子宮肉腫の生存率」はご存知ですか?症状や診断方法も解説!【医師監修】

「子宮肉腫の生存率」はご存知ですか?症状や診断方法も解説!【医師監修】

婦人科の病気の診断方法について

婦人科関連の病気は数種類ありますが、それぞれ診断方法が違います。現在はどのように診断されているのでしょうか。今回は4つの病気の診断方法について解説します。

平滑筋肉腫

子宮平滑筋肉腫は子宮体部や筋肉内にできる悪性腫瘍であるため、多くの場合子宮内膜の検査では病変を採取できず発見が難しいです。
エコー・MRIなどの画像診断で肉腫の疑いが指摘されることがありますが、確定診断はできません。子宮筋腫の手術をした際の病理検査で肉腫と発覚することもあります。

卵巣がん

卵巣がんは内診や触診等で疑いがもたれた場合に超音波検査・画像診断・細胞マーカー検査を行います。
これらの検査の結果から総合的に良性腫瘍か悪性腫瘍かの判断をしますが、確定診断は手術で摘出した組織を病理検査によってなされます。

子宮体がん

子宮体がんの検査は大きく以下の2つに分けられます。

がんがあるのか?という子宮体がんの存在の診断

がんがあるとしたらどこまで広がっているのかという広がりの診断

まず子宮体がんの存在を調べる方法は細胞診・組織診で、一般的な子宮体がん検診はこの方法で、子宮内膜の組織を取って検査が行われています。
次に子宮体がんと診断され、広がりを調べるために用いるものはCT・MRIなど画像診断で、近隣臓器やリンパ節への転移を調べる検査です。

子宮頸がん

子宮頸がん検査は市区町村の子宮がん検診なども行われていて、受けたことがある人・聞いたことがある人も多い検査です。
検診で行われているのは、細胞診のみでさらに詳しい検査が必要になったときには、コルポスコピー(膣拡大鏡診)・組織診が精密検査として行われます。
子宮頸がんと診断されたら、広がりを確認する検査としてCT・MRIといった画像診断が行われます。

平滑筋肉腫・卵巣がん・子宮体がんの治療方法の違い

子宮平滑筋肉腫・卵巣がん・子宮体がんの治療方法について解説します。
どの疾患も手術が第一選択となり、術後に薬物療法で再発を抑えるという治療方法です。平滑筋肉腫は、再発・転移を防ぐためにも全摘することが推奨されているので、肉腫部分だけを摘出した場合は再手術が勧められます。
卵巣がんはまず手術を行って、できるだけすべてのがんを取り除き、術後に手術進行期・組織型・異型度・手術でがんが取りきれたかどうかなどを考慮して次に行う薬物療法を決めます。手術でがんを取り、残っているがんが少ないほど予後が良好です。
早期発見で手術ができた場合には経過観察となることもあります。進行してがんが大きすぎる場合には、術前に薬物療法を行ってがんを小さくしてから手術をする場合もあります。
子宮体がんも手術が第一選択で、再発・転移を防ぐために子宮と卵巣・卵管を摘出することが標準治療です。しかし一定の条件を満たしていれば、子宮や卵巣を残すことが可能になる場合もあるので担当医と相談してみましょう。

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