「甲状腺がんの症状」はご存知ですか?原因についても解説!【医師監修】

「甲状腺がんの症状」はご存知ですか?原因についても解説!【医師監修】

甲状腺がんの原因

甲状腺がんの原因については実ははっきりわかっていません。しかし、いくつかの要因が関連付けられているのでご紹介します。まず、チェルノブイリ事故で確認された放射線被ばくとの関連です。
自然界に多く存在するヨウ素とは異なる種類のヨウ素が甲状腺に取り込まれると甲状腺がんを発症することが多くなります。被ばく年齢が低いほど発症のリスクが高くなる傾向があります。また、髄様がんにおいては約30%が遺伝性のもので、残りの70%が遺伝と関係のない散発性です。
遺伝性かそうでないかは、血液からDNAを抽出して監査することで鑑別できます。なお、甲状腺の病気の1つである橋本病に罹患していると悪性リンパ腫を発症しやすいという報告もありますが、橋本病の人が必ずしも悪性リンパ腫を発症するわけではありません。

甲状腺がん以外の頭頸部がんの種類

頭頸部は首から上の部分で、目と脳以外のすべての領域のことです。ここでは甲状腺がん以外で頭頸部にできる「口腔がん」「咽頭がん」「喉頭がん」「上顎洞がん」について解説します。

口腔がん

口腔内は歯以外は粘膜に覆われています。そのため口腔がんのほとんどは、この粘膜組織から発生する扁平上皮がんになります。口腔がんの種類は舌がん・歯肉がん・頬の内側にできる頬粘膜がん・上あごにできる硬口蓋がんなどさまざまです。
女性より男性がかかる割合が高く、60歳~70歳代の発症が多い傾向があります。

咽頭がん

空気や食べ物の通り道であるのどは「咽頭」と「喉頭」からなり、空気は咽頭から喉頭・気管・肺へと流れ、食べ物は咽頭から食道・胃へと流れます。この咽頭部分にできるのが咽頭がんです。
咽頭がんはできる部位によって「上咽頭がん」「中咽頭がん」「下咽頭がん」に分かれます。発症要因は過度の喫煙と飲酒です。さらに上咽頭がんに関してはEBウイルス、中咽頭がんはパピローマウイルスの感染も関与していると考えられています。

喉頭がん

喉頭は気管と咽頭をつなぐ部分です。ここにできるのが喉頭がんで、がんができる場所によって「声門がん」「声門上部がん」「声門下部がん」に分かれます。
声門がんは頭頸部にできる他のがんに比べて転移することが少なく、反対に声門上部がんと声門下部がんは周辺のリンパの流れが豊富で、リンパ節に転移しやすいのが特徴です。

上顎洞がん

上顎洞は副鼻腔と呼ばれる鼻腔につながる4つの空洞の中で、頬の内側にある副鼻腔のことです。そしてここから発生するがんを上顎洞がんと呼びます。上顎洞がんは、副鼻腔がんの中で最も発症率が高いがんです。
喫煙や副鼻腔炎が発症要因として挙げられます。

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