「甲状腺がんの症状」はご存知ですか?原因についても解説!【医師監修】

「甲状腺がんの症状」はご存知ですか?原因についても解説!【医師監修】

甲状腺がんの検査

甲状腺がんを発見し、診断するために行う検査は次のようなものです。まず甲状腺の部分にしこりがないか、視診と触診を行います。次に血液検査ですが、甲状腺がんの場合は血液検査で発見することはほぼ不可能です。
ただし甲状腺がんの中でも髄様がんの場合は、CEAとカルシトニンという2つの腫瘍マーカーの両方が高い場合はがんが疑われます。また超音波検査(エコー検査)は甲状腺がんの診断において最も有効な検査方法です。
腫瘍の有無やサイズだけでなく、良性とがんとの区別や甲状腺がんのタイプまで推測できます。5~10分程度の所要時間で負担が少ないうえに放射線を使用していないため、妊娠中や授乳中の女性など体への負担や放射線被ばくが心配な方も安心して受けることが可能です。
超音波検査で甲状腺がんを疑うしこりが見つかった場合は、細胞診検査(穿刺吸引細胞診検査)を受けます。細胞診検査は超音波で甲状腺内部を確認しながらしこりに針を刺して細胞を採取し、その細胞を顕微鏡で見て良性か悪性化を判定する検査です。
細胞診検査は乳頭がん・髄様がん・未分化がんは高い確率で診断できますが、顕微鏡で見ても良性と悪性の区別がつきにくい濾胞がんは診断できません。濾胞がんに関しては、診断と治療を兼ねて手術で甲状腺を摘出し、組織検査を行う必要があります。また、甲状腺がんの周囲への広がりや肺や骨などに遠隔転移していないか確認するためにCT検査を行う場合もあります。

甲状腺がんについてよくある質問

ここまで甲状腺がんの症状や検査について解説してきましたが、ここでは甲状腺がんについてよくある質問をいくつかご紹介しましょう。

手術をした方がいい甲状腺乳頭がんについて教えてください

久高 将太医師

甲状腺乳頭がんの場合は基本的に手術を行います。がんができている部位や大きさ、浸潤度合いによって、甲状腺の一部を摘出する場合とすべて摘出する場合があります。なお、がんの大きさが1cm以下で転移がない場合は手術を行わずに経過観察を行うことも可能です。

甲状腺がんの早期発見の方法について教えてください

久高 将太医師

甲状腺がんはのどのしこりで気づくこともありますが、早い段階ではほとんど症状がありません。従って、定期健診や他の病気で受診した際に偶然発見されることがほとんどです。定期的に健康診断を受けることが大切といえるでしょう。

末期の甲状腺がんの症状はどのようなものですか?

久高 将太医師

甲状腺がんが進行すると、ものを飲み込むときに痛みを感じる・声が嗄れる・呼吸困難・血の混じった痰が出るなどの症状が現れます。なお未分化がんの場合は甲状腺の腫れや痛み、発熱などの症状が現れ、さらに進行すると飲み込むときの痛み・呼吸困難・血痰などの他の甲状腺がん同様の症状が見られます。

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