「背中が寒い」のは「自律神経失調症」が原因?対処法も医師が徹底解説!

「背中が寒い」のは「自律神経失調症」が原因?対処法も医師が徹底解説!

背中が寒いとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

≫「自律神経失調症」ってどんな症状?原因や対策も詳しく解説!

監修医師:
甲斐沼 孟(TOTO関西支社健康管理室産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。2023年、TOTO関西支社健康管理室産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

「背中が寒い」症状で考えられる病気と対処法

背中が寒くなる症状で考えられる病気としては、「自律神経失調症」「貧血」などが挙げられます。それぞれの原因疾患に応じて、普段から取り組むセルフケア対策や対処法が異なりますので、ある程度そういった知識を知っておく必要があります。
今回は、背中が寒い症状で想定される病気と対処策について説明していきます。

背中が寒い症状で考えられる原因と対処法

背中が寒い症状で考えられる原因疾患として、「貧血」が挙げられます。貧血では、自覚症状が乏しい場合もありますが、典型的な症状には動悸、息切れ、慢性的な疲労感や倦怠感以外にも匙(さじ)状爪という爪が反り返って割れやすくなる、あるいは背中が寒くなる、舌がひりひりして味覚障害を呈することが考えられます。貧血症状を認める際には、適切に対処する必要があり、心配であれば、内科を受診し血液検査を受けましょう。

寝るときに背中が寒い症状で考えられる原因と対処法

寝るときに背中が寒い症状で考えられる原因疾患として、「低体温症」が挙げられます。
低体温症の場合には、末梢血管が収縮し、血液が手足などの末端に運ばれにくくなりますし、それによって指先が動かしにくくなったり、うまくしゃべれなくなったりします。さらに、症状が進行すると、意識低下に伴って、反応が鈍くなっていき、高度低体温症になると昏睡に陥ることもあります。
一度体温が低下すると代謝機能が働かなくなるため、自力で体温を上げることが困難です。治療で低体温が解消されても、不整脈・心不全・血栓症など合併症が起こって、命を落とすこともあり得えます。心配な症状がある場合、救急外来を受診しましょう。

風邪の時に背中が寒い症状で考えられる原因と対処法

風邪の時に背中が寒い症状で考えられる原因疾患として、「風邪症候群」が挙げられます。誰もが知っている身近な病気である「風邪症候群」は、主にウイルスや細菌感染により、上気道で引き起こされる炎症を伴う病気です。咳嗽、喉の痛み、鼻汁などの症状が生じます。背中が寒い感じは「悪寒戦慄」と呼ばれ、発熱するために体が震えて熱を作っているところかもしれません。
主な原因微生物はウイルスであり、風邪症候群を引き起こすウイルスの代表例がライノウイルスであり、それ以外にもインフルエンザウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが挙げられます。インフルエンザであればタミフルなどのウィルス治療薬が存在しますが、ほとんどの風邪は自然と症状が改善するのを待つしかありません。痰切りや咳止め、解熱鎮痛薬などの対症療法を行います。

ストレスを感じたときに背中が寒い症状で考えられる原因と対処法

ストレスを感じたときに、背中が寒い症状で考えられる原因疾患として、「自律神経失調症」が挙げられます。自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが崩れることでさまざまな症状を引き起こす病気の総称を指しています。自律神経失調症のなかには、ストレスや不安などからくる軽症のうつ病、あるいは不安神経症や気分障害などの症状が一部含まれると考えられています。
自律神経失調症の主要な症状は、眠れない、疲労が取れにくい、頭痛やめまい、息苦しさ、便秘、下痢などの便通異常症状が出現する以外にも、情緒不安定や不安感など精神的な不調症状を呈することがあります。多彩な不調症状から疑われる病気に関する精密検査を施行しても特に明確な異常が見つからない場合は、自律神経失調症の可能性があります。この精査については内科や心療内科、精神科を受診して行いましょう。

腰痛の時に背中が寒い症状で考えられる原因と対処法

腰痛の時に背中が寒い症状で考えられる原因として、「肩や首、背中の冷え」が考えられます。肩や首、背中周りには太い血管や体温に関係する神経も多く重要な役割を担っていて、肩や背中の冷えから始まる腰痛も少なくないです。体の冷えの原因は「筋肉量が少なく、体の熱を多くつくることができない」、あるいは「血流が悪いため熱をうまく運べない」ことであり、背中や大腿部などの大きな筋肉を鍛えると、冷え性を改善できて、腰痛や背中の寒さの症状が緩和できます。症状が悪化する際には整形外科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「背中が寒い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

めまいや頭痛、背中が寒いことで日常生活に支障をきたしている場合は、心療内科や精神科へ

自律神経失調症の症状は個人差が非常に大きいという特徴があります。そのため、生活の質を大幅に損なってしまうような症状がある場合は、我慢しすぎずにすぐに医療機関を受診しましょう。例えば、自律神経失調症によるめまいや頭痛、背中の寒気などの症状が原因で、会社に行けない、思い通りに家事ができないといった状態に陥っているような場合は、早急に心療内科や精神科を受診する必要があります。

受診・予防の目安となる「背中が寒い」症状のセルフチェック法

・背中が寒い以外に頭痛症状がある場合
・背中が寒い以外にめまい症状がある場合
・背中が寒い以外に立ちくらみ症状がある場合

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