「背中が寒い」のは「自律神経失調症」が原因?対処法も医師が徹底解説!

「背中が寒い」のは「自律神経失調症」が原因?対処法も医師が徹底解説!

「背中が寒い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「背中が寒い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

低体温症

低体温症は寒冷の環境で発症します。体温が低下し、身体機能にさまざまな支障が生じる病気です。最悪の場合、心肺停止する非常に危険な状態です。したがって、低体温症にならないよう予防することや、初期の段階で体温を回復させることが重要です。
低体温症とは、深部体温が35℃以下になった状態のことを指します。深部体温とは身体の内部の体温で、食道・直腸・膀胱などの温度のことです。深部体温が35〜32℃で軽度・32〜28℃で中等度・28℃以下で高度の低体温症と診断されます。偶発的な事故や事態の状況下で発症した低体温症は、偶発性低体温症とも呼ばれます。 人間は37℃前後の体温がなければ、代謝機能が正常に働かないため、低体温が起きると、身体のさまざまな機能が働かなくなります。低体温症と判断された場合、すぐにあたたかい毛布や体を温める専用の機械を用いて治療することになります。

貧血

貧血は赤血球の減少により、体内の酸素運搬能力が低下する状態を指しています。貧血の症状には、めまい、ふらつき、息切れなどを多彩な症状があります。子宮筋腫などに伴う鉄欠乏性貧血や再生不良性貧血、胃切除後の巨赤芽球性貧血などさまざまな原因疾患の存在が考えられます。特に、鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することで赤血球中に含まれるヘモグロビンが作成できなくなることで引き起こされる病気であり、貧血の中で最も頻度が多いです。体の不調の原因は気付いていない貧血のせいかもしれないため、なにか心配なことがあったらかかりつけの内科に相談してみましょう。

自律神経失調症

自律神経失調症は、体のさまざまな機能を無意識にコントロールしている自律神経のバランスが崩れることによって引き起こされる病態です。自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立ち、これらが適切に機能することで心拍数、消化、体温調節など、私たちの体内で自動的に行われている活動を調整しています。自律神経失調症の原因は多岐にわたりますが、慢性的なストレス、過労、不規則な生活習慣、心身の疾患などが主な引き金となります。これらの要因により自律神経のバランスが乱れ、さまざまな身体的、精神的な症状が現れます。
身体的な症状には、頭痛、めまい、動悸、息切れ、胃腸の不調、冷えやほてり、睡眠障害などがあります。また、精神的な症状としては、不安感、イライラ、抑うつ状態などが挙げられます。これらの症状は日常生活に大きな影響を及ぼすことがあり、個人の生活の質を大きく下げる要因となり得ます。心配な症状があれば、かかりつけの内科や心療内科を受診しましょう。状態に応じて気分安定剤や抗うつ薬、漢方などが処方される可能性があります。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、甲状腺のはたらきが低下して甲状腺ホルモンの分泌量が通常よりも少なくなる病気のことです。甲状腺ホルモンは、甲状腺で生成・分泌されるホルモンであり、全身の新陳代謝を活発にする作用があります。したがって、甲状腺ホルモンの分泌量が減少するこの病気では、慢性的な疲労感、むくみ、背中の寒さ、便秘、体重増加などの症状が引き起こされるようになります。放置して重症化すると、心不全や意識障害を引き起こすケースもあるため注意が必要です。
甲状腺の機能が低下する主な原因は、慢性的な炎症が生じることで徐々に甲状腺が破壊されていく慢性甲状腺炎(橋本病)や亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎など、甲状腺に炎症が生じる病気によって一時的に甲状腺の機能が低下することもあります。疑わしい症状がある場合は医療機関を受診しましょう。専門診療科は代謝内分泌内科です。

「背中が寒い」症状の正しい対処法は?

背中が寒い症状で考えられる原因疾患の一つとして考えられる自律神経失調症は、日常生活における過剰なストレス刺激や生活習慣の不規則性によって引き起こされると考えられており、これらを回避して改善することで自然と不調が軽快していくことが多いです。ストレッチ、音楽療法、アロマセラピー、散歩や体操、入浴など日常的に気軽に取り入れることができるストレス解消法を実践してみましょう。
背中が寒くて、咳や鼻水がある場合は風邪かもしれません。風邪の時は安静にして十分な水分・栄養補給を心がけて自然治癒を待ちましょう。もし発熱などでしんどい場合は、対症療法として解熱鎮痛剤を使用してみてください。

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