「口腔がんのセルフチェック法」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

「口腔がんのセルフチェック法」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

口腔がんの検査方法

口腔がんは、まず専門の医師による視診・触診・問診を実施します。
問診では口腔がんの危険因子である喫煙・飲酒の習慣がないか確認し、口腔がんの疑いがあれば、病理検査・画像診断で検査をする流れです。
ここでは口腔がんの検査方法について解説します。

病理検査

病理検査とは、がんが疑われる細胞や組織の一部を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無や種類を詳しく調べることです。病理検査は、細胞診と生検の2種類の検査方法があります。
細胞診は、がんが疑われる部位の表面を綿棒でこすって採取する検査方法です。細胞診で疑わしい部位があれば、生検で確定診断をします。
生検は、疑わしい組織を切り取って採取したものを検査する方法です。生検は体への負担が大きく、検体は限られます。そのため、細胞診で疑わしい部位を特定したうえで生検をする必要があるのです。

画像診断

病理検査でがん細胞が認められたら、画像診断でより詳しい検査をします。
画像診断では、がんの大きさ・浸潤の程度・転移の有無などを確認できます。検査方法は下記の6つです。

X線検査

CT検査

MRI検査

超音波(エコー)検査

PET検査

内視鏡検査

がんの進行度は、がんの大きさや浸潤の程度などから決まります。
がんの進行度をステージ(病期)といい、ステージ0からステージIVに分かれ、上記の6つの検査で正確ながんの情報を知ることで、どのステージなのか判断します。
画像診断によって手術部位を正確に把握することで、適切な治療法を選択します。

口腔がんの治療方法

口腔がんは、がんの発生部位・種類・進行具合によって治療法が異なります。
治療法は、手術・放射線治療・化学療法などです。ここでは口腔がんの治療法として、手術・組織内照射について紹介します。

手術

口腔がんのほとんどは手術で治療します。手術は原発巣(がんの発生部位)を取り除く処置のことです。転移している場合は、手術と放射線治療や化学療法を組み合わせた処置をします。
確実にがん組織を取り除くために、複数の治療法を組み合わせることになるでしょう。
なお、がんの進行具合によって、口腔内だけでなく骨組織まで取り除くことになるケースがあります。それゆえに手術の切除範囲が大きい場合は、再建手術も必要です。
手術は口腔がんに適した処置ですが、がんの大きさによって舌の機能を低下させるリスクがあるため、術後は機能回復を目的としたリハビリをすることがあります。

組織内照射

組織内照射とは放射線治療の一つで、放射線を放出する物質をがん組織、およびその周辺組織に管や針を用いて照射することです。
がんの大きさが1センチ前後の場合に適した処置方法です。手術よりも体への負担が少ないですが、照射した後にがん細胞が残っている場合は手術をするかもしれません。
また、放射線による副作用として下記が挙げられます。

唾液の減少

味覚障害

開口障害

顎骨壊死

むし歯(唾液が出にくいことによるもの)

歯の欠損など

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