「大人の骨髄腫の症状」はご存知ですか?骨髄腫ができやすい部位も解説!【医師監修】

「大人の骨髄腫の症状」はご存知ですか?骨髄腫ができやすい部位も解説!【医師監修】

症状が出やすい部位

骨肉腫は大腿骨や脛骨などの長管骨に発生しやすく、特に膝関節に近い部位に生じることが多いです。これらの部位での骨肉腫は、全体の約60~70%を占めます。また、上腕骨の肩に近い部分も発症しやすい部位として知られています。
一方で、大人の骨肉腫は、骨盤や脊椎などの体幹部に発生することも多く見られます。これらの部位に発生する骨肉腫は、症状が特定しにくいことがあるため、注意が必要です。ただし、膝や股関節の痛みがある場合でも、これらは多くの場合、年齢に伴う通常の関節痛であることが多く、骨肉腫を疑う必要は必ずしもありません。しかし、痛みや腫れが持続する場合や、特に運動時に痛みが増す場合は、専門の医師の診察を受けることが推奨されます。

大人が骨肉腫になる原因

ここからは、大人が骨肉腫になる原因について解説していきます。

遺伝子変異

大人における骨肉腫の発症原因は完全には明らかになっていませんが、遺伝子変異が重要なリスク因子であると考えられています。具体的には、リーフラウメニ症候群のような遺伝性疾患が関与している可能性があります。リーフラウメニ症候群は、腫瘍抑制機能を持つp53遺伝子の変異により発生し、骨肉腫を含む様々ながんの発生リスクを高めます。

放射線治療・化学療法

大人での骨肉腫発症には、放射線治療や化学療法がリスク要因となることがあります。特に、放射線療法による電離放射線の被曝は、骨肉腫のリスクを高めることが知られています。例えば、子宮がんなどの治療で放射線治療を受けた後、数年経過してから骨盤などに骨肉腫が発生するケースが報告されています。放射線治療の線量が高いほど、骨肉腫のリスクも増加する傾向にありますが、年齢が上がるにつれてそのリスクは低下するとされています。
また、アルキル化剤などの抗がん剤を用いた化学療法も、骨肉腫のリスクを高める要因として認識されています。これらの治療を受けた結果、骨肉腫を含む二次がんを発症するリスクが高まる可能性があるとされています。放射線治療の頻度と骨肉腫の発生との間に相関関係があると考えられているため、がん治療の歴史を持つ患者は特に注意が必要です。これらの治療による骨肉腫のリスクは稀でありますが、治療歴を持つ患者は、定期的な健康チェックと早期発見が重要となります。

骨パジェット病

骨パジェット病は、特に50歳以上の中高齢者に見られる疾患で、遺伝的要因が関与することがあるとされています。骨の新しい細胞の異常な増殖によって引き起こされ、骨の弱化と変形が特徴です。その結果、骨が脆くなり、壊れやすくなる傾向にあります。通常、骨肉腫は若年層での発症が多いですが、骨パジェット病が関連している骨肉腫のケースでは、50代以降の発症が多く見られます。日本では骨パジェット病の患者数は米国に比べて少ないとされていますが、骨パジェット病の患者の中で約1%の割合で骨肉腫が発生すると報告されています。

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