「急性リンパ性白血病の余命」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

「急性リンパ性白血病の余命」はご存知ですか?検査・治療法も解説!【医師監修】

急性リンパ性白血病の余命についてよくある質問

ここまで急性リンパ性白血病の検査・治療方法を紹介しました。これまでの内容も踏まえて「急性リンパ性白血病」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

急性リンパ性白血病は再発しやすいですか?

甲斐沼 孟(医師)

急性リンパ性白血病は、治療の奏功により寛解に入ったとしても約6割の患者さんに再発がみられます。なお、日本人に多いがんの再発率は下記のとおりです。

転移のない肺がん:約10~15%

大腸がん全体:約20%

再発率は病気・治療法などにより変化するため、正確に比較するのは難しいですが、この数字をみても白血病は再発率が高いといえます。だからこそ、寛解後の治療・経過観察はとても重要です。

急性リンパ性白血病は罹った年齢により寛解しやすさは違いますか?

甲斐沼 孟(医師)

小児急性リンパ性白血病では、患者さんの98~99%に完全寛解が期待できるといわれています。これに対して、成人急性リンパ性白血病では完全寛解率が74~92%とされており、小児の患者さんのほうが寛解率は高いです。理由は複数考えられますが、小児の急性リンパ性白血病は化学療法への反応が良いことが大きな理由でしょう。また、子どもは内臓機能が保たれているうえに、化学療法の副作用である吐き気も出にくいため、強い化学療法に耐えられることも理由として挙げられます。

編集部まとめ

急性リンパ性白血病は、成人だけでなく小児にも多くみられる血液のがんです。

再発率は高く治療期間は長期にわたることもありますが、化学療法の効果が出やすく寛解する可能性が高いといわれています。

なお、再発予防のための治療期間中は、仕事・学校へ行くなど社会生活も徐々に可能になります。

担当の医師・医療従事者・家族などとも相談しながら、無理のないペースで治療と社会生活の両立を目指して行きましょう。

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