「直腸がんの手術後の後遺症」はどんなことが考えられる?【医師監修】

「直腸がんの手術後の後遺症」はどんなことが考えられる?【医師監修】

直腸がんの手術後の後遺症についてよくある質問

ここまで、大腸がんの主な術後後遺症、排便障害の原因、術後合併症などについて説明してきました。ここからは直腸がんの術後後遺症についてよくある質問にMedical DOC監修医が回答します。

後遺症は完全に治りますか?

中路 幸之助(医師)

直腸がん手術の後遺症は患部を切除することにより、本来持っていた機能が失われることによって起きるものです。直腸の一部を切除することで、便を溜めておく機能が低下することはその代表的な例といえます。低位前方切除症候群は、術後10年以上経っても症状が残る場合があります。切除によって失われた臓器の機能が、完全に元通りになるとは限らないと考えるべきでしょう。いつまでに治ると考えるよりも、対処法を考えていくことが重要になってきます。

排便障害、排尿障害の対処法について教えてください。

中路 幸之助(医師)

排便障害については、まず内科的治療を行います。薬剤によって便を適度な硬さにしたり、骨盤体操を行って改善を試みます。改善が見られなければ仙骨神経刺激療法をはじめとする外科的治療に移行します。排尿障害の多くは、神経損傷が原因で起こる神経因性膀胱です。薬物治療や、清潔間欠的自己導尿法の指導によって対応します。

編集部まとめ

手術によって直腸の一部を切除することは、臓器が本来持っていた機能が失われることを意味しています。

直腸がんは、進んでいればいるほど後遺症のリスクは大きくなるので、定期的に検診を受けて早期発見に努めましょう。

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