「トリプルネガティブ乳がん」の症状・原因はご存知ですか?ステージについても解説!

「トリプルネガティブ乳がん」の症状・原因はご存知ですか?ステージについても解説!

トリプルネガティブ乳がんのステージ別・治療法

乳がんの治療は、①手術(乳房部分切除術または乳房全切除術±再建)②放射線治療③薬物治療を組み合わせて行います。入院が必要な治療は手術のみです。乳房部分切除術は約3日の入院、乳房全切除術±再建は1-2週間の入院が必要です。ホルモン療法やHER2を抑える薬は効果がないため、抗がん剤で治療します。再発リスクが高い場合や転移性乳がんでは、免疫チェックポイント阻害剤を併せて使用します。BRCA1またはBRCA2遺伝子変異がある場合はPARP阻害剤を使用します。

トリプルネガティブ乳がん・ステージ0の治療法

乳腺外科で手術を行います。可能であれば乳房部分切除術を行い、その後1か月程度温存乳房に放射線治療を行います。がんが広範囲に広がっている場合は、乳房全切除術±再建手術をします。ステージ0は転移の可能性が低いので、抗がん剤の治療は行いません。

トリプルネガティブ乳がん・ステージ1の治療法

ステージ0と同様に手術を行います。可能であれば乳房部分切除術と温存乳房に放射線治療を行います。がんが広範囲に広がっている場合は、乳房全切除術±再建手術を行います。しこりが1cmを超える場合は術前または術後に抗がん剤を3~6か月行います。1cm以下の場合でも抗がん剤を行うことがあります。

トリプルネガティブ乳がん・ステージ2の治療法

ステージ2では術前薬物治療で腫瘍を小さくしてから手術を行うことが多いです。術前後に抗がん剤±免疫チェックポイント阻害剤を3~12か月行います。可能であれば乳房部分切除術と温存乳房に放射線治療を行います。乳房全切除術±再建手術であっても、リンパ節転移がある場合は放射線治療を行うことがあります。術後は再発予防のために薬物治療を行います。

トリプルネガティブ乳がん・ステージ3の治療法

特にⅢB、ⅢC期は局所進行乳がんといわれ、手術を可能にするために抗がん剤±免疫チェックポイント阻害剤の治療を行います。手術が可能となった場合には、手術を行い、その後放射線治療を行います。術後は再発予防のための薬物治療を行います。

トリプルネガティブ乳がん・ステージ4の治療法

ステージ4は薬による全身治療を行います。がんの治癒を目指すのではなく、がんの進行を抑えたり症状を和らげ、QOLの良い状態で長期の生存を目指したりします。1つの治療を行って効果があるうちは続け、効果がなくなったら別の治療に変更します。基本は通院ですが、症状が強い場合には入院治療が必要なことがあります。

「トリプルネガティブ乳がん」についてよくある質問

ここまでトリプルネガティブ乳がんの症状・原因・生存率・治療法などを紹介しました。ここでは「トリプルネガティブ乳がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

トリプルネガティブ乳がんは再発しますか?

山田 美紀 医師

トリプルネガティブ乳がんは他のタイプに比べて再発率が高いです。現在は抗がん剤に加えて免疫チェックポイント阻害剤も使用でき、再発率をさらに抑えることができます。早期発見し、適切な治療を受けることが重要です。

トリプルネガティブ乳がんは乳房を全摘出するのでしょうか?

山田 美紀 医師

トリプルネガティブ乳がんという理由では全摘出しません。乳がんが乳房の広範囲に広がり、切除すると変形が大きくなる場合に全摘(±再建)を行います。遺伝性乳がんの場合は温存した乳房に再発する可能性が高いため、早期乳がんであっても全摘出を行う場合があります。

トリプルネガティブ乳がんは完治しますか?

山田 美紀 医師

抗がん剤がよく効くタイプであれば、早期発見し、適切な治療を行えば完治を望めます。最近は抗がん剤に加えて免疫チェックポイント阻害剤も使用できるようになり、さらに予後は良くなるでしょう。

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