夫婦で計画を作る「ふたりめ」

夫婦で計画を作る「ふたりめ」

第4回 実は悩んでる?ふたりめ不妊
ふたりめの子を授かるまでには長いかも知れない道のりがあります。もしかしたら授からないかも知れません。どのように進んでいったらいいのでしょうか。

夫婦で計画を作る「ふたりめ」

●不妊治療しても、絶対に妊娠するとは限らない

 「自然妊娠しないから、不妊治療。そうすれば絶対に妊娠できる」というわけではありません。30代後半の場合、何回か体外受精をして出産に至る確率は患者さんあたり約7割ですが、40代になると出産に至るのは約20~25%とかなり低くなります。
 自然妊娠していれば不要だった時間やお金、ストレスなど莫大な犠牲を払うことになります。また、「今度は妊娠しているかも」と気持ちをふくらませ、「またダメだった」と、気持ちがジェットコースターのように上がったり下がったりを繰り返すことになります。不妊治療のことばかりを考えてしまい、仕事が手に付かなくなったり、気持ちが不安定になってしまう方もいます。
 当院では臨床心理士を配置していますが、メンタル的なケアもきちんと行っているクリニックを選ぶといいですね。ただし、一番の心の支えはパートナーです。どうしても治療の主体は女性になることが多く、肉体的にも精神的にも女性の方が負担は大きくなります。男性は不妊治療に対して、きわめて消極的になりがちです。

●不妊治療のプランを夫婦で話し合おう

 パートナーとの心のズレを大きくしないためにも、不妊治療に対しても、夫婦でよく話し合い、どこまでやるのかのプランを立てるのがおすすめです。「ひとり子どもを授かっているんだし、年齢的なこともあるから、○歳までやってみよう」とか、「何回不妊治療を行って、ふたりめを授からなければあきらめよう」というような感じです。それを元に、体の状況や、医師の助言も聞き、治療を進めていくといいでしょう。
 夫婦でオンオフを上手に切り替えつつ、必要に応じて不妊治療の仲間と交流するのもおすすめです。治療のことばかり考え込まないように、上の子の子育てを楽しみ、趣味を見つけるなど、心をできるだけ安らかにしつつ、夫婦で不妊治療に向き合えるといいですね。

監修/小田原靖先生
監修/小田原靖先生
ファティリティクリニック東京 理事長。医学博士。
臨床心理士によるカウンセリングも行っているクリニックでは、チーム医療で安心できる不妊治療を目指している。著書は『赤ちゃんがほしい!一歩すすんだ不妊治療』(講談社)ほか。
臨床心理士によるカウンセリングも行っているクリニックでは、チーム医療で安心できる不妊治療を目指している。著書は『赤ちゃんがほしい!一歩すすんだ不妊治療』(講談社)ほか。
文/高祖常子
文/高祖常子
育児情報誌「miku」編集長。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。
NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、認定子育てアドバイザーほか。叩かない子育て講座、子ども虐待防止や、家族の笑顔を増やすための講演活動も行う。3児の母。