「子宮頸がんの進行速度」はご存知ですか?検査法や治療法も解説!【医師監修】

「子宮頸がんの進行速度」はご存知ですか?検査法や治療法も解説!【医師監修】

子宮頸がんは、20〜30代で発症する確率が高いとされているがんです。40代で発症のピークを迎えるものの、若い世代で発症するケースが増えています。

がんの進行は若いほど早いといわれますが、子宮頸がんの進行速度はどの程度なのか、年齢によって進行速度に違いが生じるのか気になるところです。

そこで本記事では、子宮頸がんの進行速度の特徴について解説します。また、進行に合わせた治療法も説明します。

子宮頸がんについて疑問をお持ちの方は、参考にしてみてください。

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監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんという病名はよく耳にするものの、実際どのような病気なのか理解している方は少ないかもしれません。子宮頸がんは、子宮の入り口辺りの部位である子宮頸部にできるがんを指します。
子宮頸がんの発生に関係しているのが、HPVウイルスです。子宮頸がんの発生原因をたどると、95%以上がHPVウイルスによるものとされています。このHPVウイルスは特殊なものではなく、一般的なウイルスで、性交渉で感染します。
子宮頸がんの発生原因のウイルスと聞くと、女性のみにしか感染しないかと考えるかもしれません。しかし、性別を問わず多くの方がHPVウイルスに感染しています。また、HPVウイルスに感染したからといって、子宮頸がんに必ず罹患するとは限りません。
前述したようにウイルス自体に感染している方は多く、女性は90%近くまで感染率が上がります。ただ、一般的にHPVウイルスは感染しても排出されることが多く、90%近くが数年のうちに消失するというデータもあります。
子宮頸がんは、HPVウイルスが持続感染することによって、がんに移行していったものです。HPVウイルスの持続感染によって、がんに移行するのは、ほとんどが女性です。また、子宮頸がんは女性がかかりやすいがんの1つでもあります。ただ、乳がんや子宮体がんに比べると罹患の確率は少し下がります。

子宮頸がんの進行速度の特徴

がんは治らない病気ではないものの、進行度や速度によっては、対応や心構えが違ってきます。また、がんは若いうちに発症すると進行速度が早いといわれています。若い年代で発症しやすい子宮頸がんについても、進行速度がどの程度か気になるでしょう。
そこで、ここでは子宮頸がんの進行速度の特徴について、まとめてみました。

自然発生時は発症までに長い時間を要する

子宮頸がんは発症までに長い時間がかかる病気です。個人差はありますが、HPVウイルスに感染してからがんに進行するまでは、数年から数十年とされます。
中には15年から20年かかるケースも見受けられます。
また、先述したようにHPVウイルスに感染しても、必ずがんに罹るわけではありません。免疫状態が正常で健康であれば、自然に消滅します。

HPVウイルスにより進行が早まる

子宮頸がん発症の原因でもあるHPVウイルスは、さまざまな型が存在します。
子宮頸がんに繋がるウイルスはHPV16型と18型です。この2つのウイルスが病変して、がんが発生した場合の進行速度は早いとされています。
特に、20代・30代で子宮頸がんに罹った方の8割、9割から、HPV16型と18型が見つかっています。

早期発見すると予後が良好な点が特徴的

子宮頸がんは進行してからの治療が難しい病気です。しかし、早期発見・早期治療の場合は治療がしやすいとされ、予後も良好です。
がんが進行する前に治療を受けることは予防にも繋がり、子宮頸がんでの死亡率を下げることになります。ただ、初期の段階では症状が現れないため、自覚症状を持ちにくいでしょう。
がんの発生と症状の進行を食い止めるためにも、定期的な子宮頸がん検診の受診が欠かせません。

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